今朝は雨で仕事はお休み、1日をマッタリと過ごしたいな。

そんな僕の心情とは裏腹に、まるで屋根を打ちつける雨音に合わせるかのように
何故かソワソワと落ち着かない感じのすず。
家事をする動きにも、普段の軽やかさが全く見られ無い。

いつもなら差し込む朝日の中で、綺麗な黒髪を揺らしながら手際良く
笑顔と共に僕の前へと朝ご飯を出してくれるはずなのに……。

「……ねぇ、すず?」

「ほにゃ!?な、なにぃ〜行人?」
「その……何か様子が変だけど、どうしたの?体調でも悪いの?」

「そっ、そんなこと無いよぉ〜!?」
「でも、何だかな……」

やっぱり変だよ?
何かを意識して料理に集中できてない感じ
それにいつもより……何だろ、この違和感は?

「……行人は今朝の私を見て、どう思うのかな?」
「へっ?……いつもの通りに……カワイイと思うけど…」

「うにゃ!!!……私がカワイイ?……ありがとう」「そう、その笑顔!やっぱりすずには笑顔が一番だよ」

「笑顔?……そうじゃなくてぇ!!……アッ!!そっか、見せないと分かんないよね
ちょっと待ってね、すぐに見せるから…」

何を自問自答して納得したの?
そんなすずがスカートの裾を両手で掴む姿を見て、僕は悪い予感がした……。

「えぇぇ〜ちょっと、すずぅ?!朝からスカートなんか捲っちゃダメぇ〜!!!」

何の戸惑いも無く、両手で吊り上げられたスカートの中からは
スラリと伸びた太ももと、可愛らしくサイドで結ばれた紐が特徴的なパンツが
雨で薄暗い部屋の中、輝きを放ったかのようにハッキリみえるのは
日頃は眠っている、僕の本能ってヤツのせいなのかな?

「ハイっ!このパンツを見て、行人はどう思うのかな?……カワイイ?」

確かに居候生活を続ける中で、すずのパンチラにも段々と慣れてきたつもりだった。
でもそんなにニッコリと微笑みながら、ハッキリとパンツを見せられると
日頃みんなに朴念仁と言われる僕でも、すずの無邪気な誘惑に負けて
手を出してしまいそうだよ……。

「ダメだってぇ!!とりあえずスカートを下ろしてっ!」

「ちゃんと見てよぉ〜!!感想を聞かせてよぉ〜!」

「いつもの真っ白なのより色が鮮やかで、水玉模様がカワイイでしょ?」

何か獲物を見つけて、期待に瞳をくるくる輝かせるような猫の目で見られても……。

「やっぱりダメだよ、こんな事をしちゃ!!」

「もぉ〜!!こうなったらぁ……ニャァァ〜!!!」
「ウォォォ?!」

朝から僕に甘い誘惑するネコちゃんは、お尻を突き上げ身構えると
囲炉裏を飛び越え、見事に獲物を押さえ込んだ。

「コレならどうだぁ〜!!もう行人は逃げられないよっ!」

一瞬なにが起こったのか分からなかったが、直ぐに混乱する頭の中に
頬を挟み込む、暖かくて柔らかな感触が伝わって来た。
そして鼻先を白いスカートの裾と、石鹸の香りがチラチラと微かに擽る。

「カワイイ下着だから、行人に見てもらおうと思って
さっきから一生懸命お尻を上げたりしてたのにさぁ……
行人は、ちっとも見てくれない!!」
「いや……だからさぁ…」

「今朝は厠に行った後、朝風呂に入って体をキレイに洗ってから
着替えたんだよ……行く人にコレを見て貰いたかったから
だからぁ〜!!ちゃんと見てよぉ〜!おぉ〜!!おぉ〜!」

いや、もうバッチリ見えてます。
すずが太ももで僕の顔を挟み潰す度に、スカートがヒラヒラと揺れて丸見えですよ。

「行人がちゃんと見て、感想を言ってくれるまで
ぜぇ〜たいに!逃がさないからねっ!!!」
「……分かったよ、ちょっとだけだからね」

「よろしい、ちゃんと見てねっ!……ハイっ!!」「えっ?体制は馬乗りのまま?」

再び捲り上げられたスカートの中から、普段とは違うカラフルな
水玉模様のヒモパン?がお目見えした。

目と鼻の先には柔らかそうな生地が、これまた柔らかそうなすずの肌を包み込んでいて
無性に触りたくなるがココが我慢の為所だな……。

「ちかげちゃんがねっ、いつも同じのだと
行人が見飽きちゃうよって、プレゼントしてくれたんだぁ」

衣装関係は、やっぱりアノ人か……
全くロクなことしないな、ちかげさんは……。

「行人ぉ〜?ちゃんと見てるぅ〜?」

もういつ鼻血が吹き出しても、おかしくないくらい見てるよ。

やっぱり僕が暮らしていた現代社会とは違って、藍蘭島の縫製技術は
少しお粗末だから、生地の造りが粗いんだよな……
うっすらと透けてる?

すずの健康的な肌色が、白い生地越しに見えているような……
やっぱりまだ生えて無いみたいだな。

それに柔らかそうな布地が肌にピッタリとフィットして
すずの秘密の部分がこんな形してるのよっ!って僕に教えてくれているみたい。

あの中央の少し凹んで影を造っている、溝みたいな所が
すずの女の子の部分なのか…………ヤベっ!もう限界、鼻血が出そう。

「すずぅ!!もうイイでしょ?これ以上見てたら、鼻血で汚しちゃうよ?」

「ちぇっ……仕方ないなぁ〜、よいしょっ!っと」
「ふぅ〜危なかった」

「どうだった?行人はコレを見て、どう思った?」
「……カワイイと思うよ」

「ヤッタァ〜!!!ねぇトンカツ、行人がカワイイって言ってくれたよぉ〜!!」
「ぶぅ〜ぶっ!ぶっ!ぶっ!」

そんなに2人で喜ばれても……僕はどんな反応を返せば良いんだろ?

この島では下着なんて、洋服の一部みたいな物と思ってるみたいで
見えたって平気みたいだし、大体あんな風に堂々と見せられたら有り難みが薄れちゃうよ。
下着ってゆうのは、不意に風が吹いたりしてチラッと見えるのが良いのに……
まったく、みんなは男心が分かって無いなぁ…………。

ってぇぇぇ!!!……唯ならぬ違和感に股間を見れば、僕のヌシが大変なことにっ!……コレは危険だ……
難しいとは思うけど、ヌシが暴れ出す前に
男に下着を見せる危険性について、すずには一度キチンと話しておこう。

「すず、あのね……下着とかは、あんまり見せない方が良いと思うんだけど…」

「何でぇ〜?こんなにカワイイだよぉ、みんなに見て欲しいよぉ〜」

「その気持ちは分からないでも無いけど、下着や肌を他人に見せちゃダメなんだよ」

「何で?行人の言ってることって、チィ〜っとも意味が分かんないよ?」

やっぱり周りくどい話し方じゃダメか……
でも思春期男子のモヤモヤする気持ちをストレートに話すのもなぁ……。

「ねぇ、行人は何が言いたいのぉ?」

上手く話せるかは分からないけど、ソフトな感じに直接的な表現を避けて
オブラートに包みながら、男性心理について少しずつ話しみるか。

「あっ、行人!お股なんかに、何を隠してるの?膨らんでるよぉ〜?」

ムリっ!!!
今の状態で冷静に説明なんて無理だ!
……こうなったら、すずが怖がるかもしれないけど直球勝負しかないっ!

「すず……男ってね、女の子の……普段は見えない所が見えるとね…」

「固〜い!!コレって、何を入れてるのぉ?」
「触っちゃダメぇ〜!?離れて!離れてぇ!!!」

「何かコレ、あったかいし動いてるよ?」

「すず……真面目な事を言ってるんだからさぁ、ちゃんと話を聞いてよ……
あとニギニギするのは止めて…ソレは物じゃなくて、僕の体の一部だから」

「そうなのぉ〜!?……ゴメン、痛かった?」

これ以上、この話題を長引かせるのは危険だ。

「すず、一回しか言わないないから今度はち・ゃ・ん・とっ!聞いてね」
「うにぁっ!」

「……すずが下着や肌を僕に見せると」

「見せると?」
「僕は……すずを……欲しくなるんだ」

「欲しい?……はにゃぁ?行人が…私を欲しくなるぅ?」
「そうだよ、僕はすずを僕のモノにしたくなるんだ」

「私が……行人の物に?」
「酷い話だと思うでしょ?」
「……よく分かんない」

「男ってね、力ずくにでも女の子を奪いたくなる時が有るんだ」

「……うん」
「だから、下着や裸を僕に見せないで……分かったかな、すず?」

「私は……行人の物になら、なりたい……かな?」

また考えも無しで、そんなことを言って……でも無理もないか
何の知識も無いすずに、たったこれだけの話で理解して貰うとゆうのが無理が有るな…。

「あのね、すず」
「私はっ!……行人の物になりたい、そしたら…」
「そしたら?」

「……私は行人の傍に、ずっと居ても良いでしょ?
行人が誰かと……結婚しても、私も一緒に居て良いんだよね?
……だったら私は、行人の物になりたいなぁ…」

雨のせいで薄暗い部屋の中、行人は私の言葉を聞くと俯いてしまった。
私って、おバカだから知らないうちに行人を傷付けることを言っちゃったのかな?

でも偶には私も甘えてみたい、行人に私の正直な気持ちを伝えたい……
そうしないと不安で、心が押しつぶされそうになる。
今日のお天気は私をそんな気分にさせる……だから、雨の日はキライ。



「ありがとう、すずの気持ちを聞けて嬉しかったよ……
でも僕の言葉が足りなかったみたいだね」

「どうゆう意味?……やっぱり、ずっと一緒はダメなの?」
「ううん、僕たちはずっと一緒だよ」

「本当にぃ〜!?」
「うん、嘘じゃない……これからも僕とすず、そしてトンカツと三人だ
だから泣かないで、すず」

「何でかな?…嬉しいのに、涙が勝手に出ちゃうよ…………行人」
「なに?」

「……抱っこして」

お膝の上に抱っこして貰うと、不思議と涙も止まって凄く楽しい気分。

「ふにゃ〜抱っこして貰うのって、気持ち良いんだねぇ〜」
「……そうだね」

「こんなに気持ち良いって分かってたら
もっと早くにして貰えば良かったなぁ……アレッ?……ねぇ、行人」

「なに?」
「このモモの所に当たってる固い棒って、結局は何なの?炭?薪?」

う〜ん、握った感じは……固さの中にも柔らかさが有るようなぁ……
あれっ?なんか先っぽは段差があって……丸くなってる?

「いや、だからモミモミしないで……それは体の一部だから」

「そうだったね、ゴメン忘れてた……でも男の人って大変だね
こんな固いのが、お股に付いてたら邪魔じゃないの?」

「別に、いつもこんなに硬くないから……」
「ウソっ!?柔らかくもなるのぉ!」

「うん……普段はもっと小さくて、柔らかいかな」

ふにぁ……行人の体って不思議だなぁ……でもコレを握ってると、なんか落ち着くのはナゼなんだろ?

「へぇ……じゃあ、何で今は固くなってるの?」
「それは……本能…かな?」

「本能?そんな難しいこと言われても、分かんないよぉ〜」
「好きな子と……すずと一つになりたいって、ことかな?」

私と一つになる?……どうゆうこと?
うにゃ〜ん……そういえばオババが、そんな話を昔してくれてたような……?。

「……僕じゃ、ダメかな?」

「ふにぁ?ちぃ〜っとも、ダメじゃないよぉ〜!
でもちょっと待ってねぇ〜、いま思い出すから……何だったかなぁ?」

「はぁっ?思い出す?……すず、意味が分からないまま適当に答えてない?」

「なっ!?なぁ〜に言っちゃってんのっ!そんな訳ないじゃ〜ん!!!
……えっと、確か……ち…ち…」
「血?……ねぇすず、ちょっと僕の話を聞いてよ」

「うぅ〜ん、ちょっと待ってね……ちっ…ちかげ?
…ちづる?…ち・ち・ち……ちぎり?そうだぁ〜!!契りだよ!」

思い出したぁ〜!!!
恋人の2人は、お互いの体を一つに重ねて
夫婦になる誓いをするんだった……夫婦?……私と行人が?

「あの、もしかして……私と行人が一つになったら……
私って、行人の……お嫁さんになるの?」
「そうだよ、僕じゃダメ?」

「ぅうにゃぁぁ〜ん!!!そんなこと無いよ!私は行人じゃなきゃ、イヤっ!」
「じゃあ、良いんだよね?」

「うん、でも……何をするの?」
「ちょっと待ってね、準備をするから」

行人が雨戸を閉め始めると薄暗い部屋の中が更に暗くなる。
私は気がつくと『しばらくカラアゲの家で遊んでいてね』と言って
トンカツを送り出し、布団を敷き始めた行人を眺めていた。

今から始まる儀式は私と行人を結ぶ、2人だけの秘密
知らない内に頭の中で、そんな風に思っていた。

「あのっ!……服、脱いだ方が良いのかな?」
「うん」

「ふにゃ〜、いつもは平気なのに今日は何か恥ずかしいなぁ……
ねぇ、行人……お布団の中で脱いでも良い?」
「うん、良いよ」

すずは意外なことに、これから始まる事をある程度は理解しているようで
照れ笑いを見せながら布団の中へ潜り込み、もぞもぞと服を脱ぎ始めた。

「……僕も布団に入って良いかな?」
「うん、もう良いよ」

軽く布団の角を捲ると、すずの綺麗な乳房が見えた。
季節を問わず控えめに中央に咲く桜色は、普段なら
すずの性格を表したように、優しそうに柔らかく咲いているが
今は太陽を見上げる梅の花みたいに
少し赤味を帯びて、お天道様を見上げているよう。
これも人間の本能ってヤツなのかな?

「……お部屋の中で裸んぼうになるのってドキドキするし、何か恥ずかしいね」
「怖いの?」

「うにゃ〜ん!?そんなこと無いよ!……だって行人の物になるはずが
お嫁さんにして貰えるんだからぁ!」

「ちょっと待って、すず……モノって何?」
「物だよ、物!」

ダメだなぁ、男って……頭の中がアレのことでイッパイになると、ロマンもヘッタクレも無いよ…。

「こんな状態になってから言うのは遅いけど、僕にも格好つけさせて」

「ふにゃ〜?」
「すず……約束するよ、僕は絶対にすずの傍を離れない」

「うん、ありがとう」
「だから、僕のお嫁さんになって下さい」

「…ハイ、こちらこそ宜しくお願いします」

形式だけの唇を重ねるキスを一つ。
逸る気持ちは抑えきれず、そのまますずを優しく布団に寝かせ
すずのシンボルとでも言うべき、胸にもキスを……


バーン!!!
「うぃ〜す、ダンナ・すずっちぃ〜!
なんでぇ、雨戸なんて……閉・め・てぇぇぇ〜?」

「オォォ〜朝っぱらから盛っとるなぁ……
姉ぇさまぁ〜!!!ウチらもエェことしましょ〜!」

「みことぉー!!!!テメェ、ドコに指を入れっ!ゃぁん!
止めてぇ!!!助けてダンナぁ〜!!!!」

みことの見事な暴走っぷりを見て、先程までいきり立っていたヌシは
冷静さを取り戻したのか、息を潜めて穴蔵へと帰り
僕の股間は通常形態である、パナ子さんの鼻状態へと戻った。

……この表現方法はパナ子さんに失礼かな、テヘッ!

「さぁ、すず……将棋でもやろうか?」

そう、僕は島で唯一の男で有り。

「えっ?えっ?えっ?何で服を着ちゃうの?行人、続きは?」

「ダメだよ、すず!僕たちはまだ未成年なんだら、こんな事をしたら犯罪だよっ!」

そして、島で唯一無二のヘタレでも有る!。

 ―完―