「お兄ちゃん、朝だよ、起きて……」
ん?だれだ……。そうか。ゆきのちゃんか。そして今は朝なのか。
まずいな。ただでさえ夜型なのにこの島に来てからよけいにそれが酷くなったような気がする。
う〜。まだ眠い。
「だめだよ!!お兄ちゃん。お母さんみたいなダメ人間になっちゃうよ!!」
「はいはい。」
あ〜、なんだか意識がはっきりしない。俺を引っ張るのは誰だ?
あぁ、ゆきのちゃんか。やけに大きい手だな。
毛深くてまるで熊みたいだ。
俺はその手に引かれるまま。いや、引きずられるままに外へ引っ張られていった。
「朝の体操、いくよ〜。」
外にはホイッスルを持ったゆきのちゃんがいた。朝の体操か。
昭和の香りがする。そうかここは明治か。
そう思いながらも体操をして意識がはっきりした後に水汲みをする。
帰ってくると家には自分の体と同じくらいの重さの大きな瓶をもった女の子がいた。
島一番の力持ち、りんだ。
多分、いや絶対に俺はあの瓶を持ち上げることは出来ない。
「うっす。旦那。その……、なんだ、水汲みの途中に立ち寄ったんだけど朝食は私の家でとってかないか?」
「だめっ。お兄ちゃんは私の家で朝食を取るの!!」
俺はりんの誘いに乗るかを真剣に考えた。
このままでは間違いなく命に別状のある食事を取らされる。
だからといってりんの料理が安全な保証もない。えぇい。男はみんなギャンブラーだ!!
「それならお言葉に甘えて。ごめんね。ゆきのちゃん。またいつか来るから。」
「むぅ〜。お兄ちゃん、行っちゃダメ!!」
「男の帰りを待つのも大人のれでぃーだぞ。」
「わかった……。ゆきの、待ってるから。」
「うん。かがみさんによろしくね。」
「絶対に来てね〜」
「あぁ。」
 手を振るゆきのちゃんに俺は手を振った。
約束なんかなくても多分この家には後、数回は行くことになるだろう。
俺は2度目でかがみさんを倒せる自信はない。

「命拾いしたな、旦那。昨日の料理、見た目は悪くなかったけど、ものすごく甘かっただろ。」
にこやかに話しかけてくるりん。快活というのはまるで彼女のためにある言葉だった。
多分、彼女もゆきのちゃんの料理のひどさを知っているのだろう。その辺は村社会だ。
「まぁね。さすがに頑張ってるのは分かるんだけど、あれは勘弁かな。」
「まっ、あたしのとこに来たからには食には不自由させないよ。」
「それはすごいな。」
「今日の朝飯は楽しみにしてなって。」
「あぁ。分かった。」
「ただいま〜。連れてきたぜ。」
「お邪魔いたします。」
家に着くと同時に上機嫌で台所に入る。
男さえいれば将来はお嫁さんになれただろうに。
俺は俺で相手の親に自己紹介をする。
もう一人いるのは妹だろう。
横に座っているのは、ペンギンとイタチと猿だ。
しかしペンギンとイタチにはなんというか威厳と風格が備わっている。
きっと名のある動物なのだろう。
「りんさんのお母様、お祖母様、本日はこの家に厄介になります。」
「いや、こっちこそりんの事をよろしく頼む。」
こうして挨拶が無事に終わったところで自己紹介をしてもらう。
なるほど。あのペンギンとイタチはりんの兄弟子か。
自己紹介が終わったところでりんが食事を運んでくる。
そういえば昨日はあまり食べてなかったから腹が減ってるところだ。
「どんどん食ってくれよ。今日は量を多めに作っておいたから。」
「いただきます。」
みんなでいただきますを言った後にりんの作った朝食を食べる。
「……。」
りんの作ってくれた朝食は思わず言葉が出なくなるほどにうまかった。
多分、この島の中でも料理がかなり上手な部類に入るのだろう。
そんなことを少しだけ考えた後に俺は目の前の朝食にかぶりついていた。
「うぐっ、ごほっ、ごほっ。」
やっちまった。つい美味しいものだから調子に乗って飯を喉に詰まらせたのだ。
「おいおい、大丈夫か?ほら、お茶だ。」
落ち着いてお茶を差し出してくれるりん。
「はぁ、はぁ。すみませんね。」
「慌てすぎだっての。で、美味しかったか?」
「……。」
いきなり聞かれて返答に困る俺。多分この味は、「美味しかったのよ」の一言で形容することはできない。
「分かった、分かったって。食べ方見てりゃ分かるよ。喜んで貰えてこっちはなによりだよ。」
「あっ、そのっ、ごめん。すごく美味しかった。」
「その一言が聞ければ十分だ。」
その後、多少食いすぎた感じはするが腹いっぱいりんの料理を食べた後に空き部屋に案内される。

「お前、朝風呂には入るか?」
りささんが俺に聞いてくる。確かにいつもは朝風呂なんて入ったりはしない。
でも今日は少し食べ過ぎたようだ。ということでお言葉に甘えてみることにする。
「入ります。」
「分かった。今、棟梁が入ってるからあたしが入った後でいいか?」
「いえ、みんなが入った後でお願いします。」
「あぁ。分かった。じゃ後でまた来るよ。」
「それでは。」
棟梁はともかくとしてりささんとりんちゃんが……。
いかん。ゆきのちゃんよりはマシとしてもそれでも下衆の発想だな。
俺はそんなことを悶々と考えながら、しばらく風呂の順番を待ちながら部屋でゴロゴロしていた。
すると扉を叩く音がする。きっと、りささんだ。
扉を開けるとやっぱり、りささんだった。
「風呂、開いたぜ。さっさと入ってくれよな。」
「わざわざありがとうございます。」
さて開いていると言われた事だし風呂に向かう俺。
俺は何も警戒しないで風呂の扉を開けた。
どうせこの島に男湯も女湯もあるわけがない。そんな油断が致命的だった。
「!!」
「!!」
風呂の扉を開けた向こうにいたのは何も着けないでお風呂に入っているりんだった。
多分、これは事故じゃない。りささんがタイミングを計ったのだ。もしそうでないなら、りんはそこにはいない。やられた。
それにしても服の上からでも分かってはいたが、服を着けていない大きな胸はとても自己主張がはげしかった。
さらには,なんとスタイルのいいことか。このスタイルなら多分、外の世界ならモデルとして活躍できることだろう。
そして突然の事に慌てて恥らう表情は何事にも変えがたい物だった。
こうしてお互いが驚いて見詰め合うこと数秒。俺は冷静さを取り戻していった。
外界だったら俺はまずりんに謝ってそこから慌てて出ただろう。
しかしここは藍蘭島だ。男が女と風呂に入ることもおかしいことじゃない。
現にこの二日間、俺はなんとも思われてなかった。よし。
「あはは、入ってたんだ。驚かせちゃってごめんね。なら一緒にはいら……ゲフッ!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺が落ち着いて提案をしようした中、りんは俺に風呂桶を投げつけた。
見事に壁まで吹っ飛ばされる俺。あれ?俺、何か間違えたことをしましたか?
俺の意識は朦朧としていった。

次に意識を覚ましたときは俺はりんの膝の上にいた。
風呂覗きをしたくせにその相手に膝枕をしてもらうとは情けない。
「あれっ、俺は?」
「あ〜。わりぃな。みことと勘違いして、つい桶投げちまって」
やっぱり俺にはこの島の人間の感覚は分からなかった。
女の子のみことちゃんに桶を投げるのが理解できないし、俺は桶を投げられて当然のことをしたと思う。
「いや、女の子のあんなところを見たら投げられて当然だと思うよ」
「あっ、あれは……、とにかくあれは悪かったって。」
お互いに譲りあう俺たち。多分このまま話しても平行線だろう。
「そうだ。仕事はいいの?」
「そうだったな。お前も来るか?」
「あぁ。子供の頃から物を作る職業には憧れてた。」
「へぇ。そりゃ、やりがいが出てきたな」
「やっぱり、幼い頃から修行してるから大工の腕前はかなりのものなんだろ?」
「まっ、まぁな……」
「そんなに謙遜するもんじゃないって」
「そうじゃなくて……、そうだお前もうちに弟子入りしないか?多分、お袋も棟梁も大歓迎すると思うぜ」
「う〜ん、俺はやめとくよ。今からやっても多分手遅れみたいだし、」
「そんなことないって。それだけはあたしが保障する」
「いや違うんだ……、俺には他にやらないといけないことがあるから」
確かにこのままりんの家に弟子入りをするのは悪い選択じゃない。
美人の嫁さんが手に入る上に毎日やりがいのある仕事が出来るだろう。
だがそれではこの島の人口危機はどうにもならない。俺は同じところに留まってはいけないのである。
出来る限りたくさんの女の子と関係を持ってこの島に尽くさないといけない。
これが俺がこの島で果たさねばならない義務であり、そしてそれは今のところ俺にしか出来ないのである。
「そっか。それなら……さ、それが終わったらあたしのとこにきなよ。いつでも歓迎するから……」
「あぁ。そうすることにする。さて仕事に行こうか」
「だな」
俺はりんと一緒に仕事に向かった。
それにしてもりんの胸元はいつ見ても興味をそそられるものがあった。
「おっ、りんのやつも来たみたいだな。今日はこなくってもよかったのに。それとちょっとこっちに来い」
棟梁がりんを引き寄せて内緒話をしている。しかし声が大きいのでそのまま聞こえていた。
「今日はお前の分の仕事は考えてない。機会があったら仕事を抜け出して茂みのあたりであいつを押し倒せ。わかったな?」
「……分かった。あたし、頑張る」
おいおい。何吹き込んでんだよ。まぁいい。
この様子なら部屋に夜這いをかけても文句は言われないだろう。
 さて仕事だ。今日の仕事は家づくりだった。
もう部品は出来ているらしく後は組み立てを残すだけだそうだ。
さて、俺も頑張ってみるか……。
そう思ったとき、俺の上から何かが降ってきた。
何かまずい気配を感じた俺はそれを回避する。
ズドンと鈍い音を立てて落ちたそれはなんと金槌だった。
だれだ?こんな危ないことをする奴は。と思うと上から女の子の声が聞こえてきた。
でもりんとは違う。その声の正体はみことだった。
「あ〜、ごめんごめん。手がすべってもうた〜」
としらじらしい言い訳をする。みことに関することはある程度りんに聞いた。
なんでもレズビアンらしくてりんからすれば鬱陶しいそうだ。
なるほど。俺は邪魔者というわけか。だが上から金槌とは恐ろしいやつだ。
とりあえず頭上と背後に注意だな。と思っているとみことはトゲ太さんに油を絞られていた。
まぁ、大工の命とも言える大工道具をそんな風に扱ったのだから当然の話だろう。
その後はどうやら兄弟子が見張っていたらしくみことから暗殺されるようなことはなかった。
また、予想通りといえば予想通りなのだがりんに押し倒されることもなかった。
りんは今まで会ったこの島の住民の中で一番奥手なのである。
今まで会った人たちが積極的だったのかもしれないが。
ついでに意外だったのはりんはあまり大工仕事に関しては手先が器用ではないということだった。
これは予想とはおおきく外れていたので驚かされた。両親が跡取りに焦るわけだ。

さてさて、時間の経過は早いものでもう俺は夕飯もすませ風呂にも入っていた。
みことから睨まれているような気がするが仕方がないだろう。
それで今、俺はりんの部屋にいる。半分は俺の意思。半分はりんの親の思惑である。
このまま過ちが起これば俺と相手は両方得をする。そして俺はりんに興味を抱いていた。
けれでもその判断は失敗だったかもしれない。
なぜなら今、俺はりんに話しかけるべき言葉が見つからないからである。
それはりんも同様だった。そして部屋には重い沈黙が流れた。
(やらないか……、あなたと合体したい、う〜ん、どう考えても無理だ。)
必死に言い出す言葉を探す俺。俺の人生だってそんなに女経験があるわけじゃない。ここ二日が異常だっただけだ。
そして俺はヒントを探るために自分の女経験を思い出す。するとかがみさんの言葉が俺の脳裏をよぎった。
「もし、Hなこと行き詰ったら胸を揉むといいわ。とりあえずそこ突いときゃ感じるモノ感じるから」
と。だがどう考えてもこの策は今向きじゃない。けれどもその他に思いつくことが何もなかった。
最悪、この子が悲鳴をあげてもなんとかなるだろう。投げ飛ばされたときは……、もう知らん。
「りん、ちょっといいかな?」
「あ、あぁ、な、なんだよ……」
りんも俺も緊張していた。お互いがHをするまえからこんな状態なのである。
多分、本番をやったらどちらかが気絶するんじゃないかと思っていた。
だがこのままでは何もないままどちらかが寝てしまう。それは避けたかった。
りんの体はそれだけ俺にとって魅力的だったのだ。

「えいっ!!」
俺は思い切ってりんの大きなふたつの胸を鷲づかみにした。
後は野となれ山となれだ。
「………………」
「………………」
多分その直後に投げ飛ばされるのではないかと考えてた俺。
だが、りんに動く気配はない。俺は恐る恐るりんの方を見上げる。
するとりんは赤面して慌てていた。年頃の乙女なら当然の反応だろう。
そして動く気配もない。師匠の教えによればこういったときは一気に畳み掛けろだ。
俺は無言でりんの着衣の帯を剥ぎ取りそれをはだけさせた。
さすがに下には下着代わりのさらしを巻いていたがそれでも恥ずかしかっただろう。
「!!」
羞恥のせいなのかいつもの力で抵抗してこないりん。
そして俺はふと我に返る。やっぱりこれは強引すぎたのではないのか、と。
「ごめん……、やっぱりこういうのは」
「ち、ちがう。あの……、その……、続けていいぜ……」
りんの口から意外な言葉が漏れる。
「あのさ……、あたし、こういうときって何を言えばいいのか分からなかったんだ。だから……」
「そっか。そうだよな。実は俺もよく分かってなくって。とりあえず、それ、取っていいよね?」
「あたしが外す。他の人に触られるの、恥ずかしいんだ……」
りんが恥ずかしそうに下着がわりのさらしを外していく。
するするっと解けていくさらし。その締め付けから自由になるふたつの胸。
やはり大きい胸はその二つの挙動がバラバラになるのだろうか?
「そのさ……、脱ぐところ、見ないで……くれないか?何だか恥ずかしくって」
「わ、わかった」
俺はりんから目をそむける。
その間にりんは自分の下のほうのさらしも解いた。
するするっと解けて下に落ちるさらし。
一糸纏わぬりんが俺に話しかけてくる。
「全部、脱いだぜ……」
見られたくないところは全て隠しているがその魅力までは隠せない。
「……するか」
「…………ああっ」
俺は自分の着ているものを脱ぎ捨てるとりんの上にのしかかった。ここ二日で女慣れしてしまった自分に少し嫌悪感を覚える。
だがそんな気持ちもすぐに消えてなくなる。
それにしても大きいくてふくよかな胸だ。さっき、勢いにまかせて揉んだ感触も良好では済まないレベルだった。
「いくよ……」
俺はりんの乳首を舌でペロっと舐めてみる。
「わっ!!」
それに驚くりん。そんなりんに俺はその行為を続けた。
どんどん乳首が硬くなっていくのが舌を通じて分かっていく。
「……も、もうやめてくれっ!!なんだか変になりそうだ!!」
「分かった、分かったって」
そう言いながらもりんの胸を揉みだす俺。だがその大きい胸は俺の手に余った。
そこで下乳のあたりをふにふにと揉んでみる。
「わっ、だからやめろって!!ひゃん!!やめ……」
いつもの姉御肌とは思えない声で喘いでしまうりん。胸が大きいとそれだけ感じるのだろう。
だが、そんな声で喘がれてしまっては俺も意地悪をやめる訳にはいかない。

「まだ、始まったばかりだよ」
俺はりんの意識の集中していないと思われる急所を手でいじくった。
「…………!!」
そんなところは弄られまいと思っていたのか顔を真っ赤にするりん。
いけない。癖になりそうだ。
当然、こんなことに慣れていないりんの限界は早い。
数回、指でまさぐっただけでもう愛液を垂らしてしまう。
「あたし……、あんなに出して……」
「無理ないよ。初体験だから」
そういいながら俺は自分の竿をりんの秘所に差し込んだ。
快感を受け入れるのに必死なりんにそこを締めるのに裂く力はない。
だからあっさりと俺のものを受け入れてしまうりん。
「あぁぁぁぁ!!」
俺がりんの処女を貫く。当然、痛がるりん。日ごろは強い姉御肌もこういった痛みには弱いものだ。
「大丈夫か?」
そういいながら痛みを和らげるように胸を揉む。当然、師匠の受け売りだ。
「あっ、あぁっ、だんだん引いてきたからもう平気……、」
「ならやるぞっ!!」
「ひゃぁん!!」
俺はりんが楽しめるように考えながら自分の竿を動かした。
時間が経つにつれてだんだんとりんの方にも余裕が出てきて締め付けが強くなってくる。
お互いに息も絶え絶えだ。
「いっ、いっ、いきそうだっ!!」
「わ、分かった、今、出すからな!!」
俺は自分の中の欲望をりんの中にぶちまけた。
それを受け止めきれるにイッてしまうりん。
「ど、どうだった?」
「その……、気持ちよくっておかしくなりそうだった……」
「そっか」
「また、来てくれないか?もう一度、やりたいから……」
「何度でも来るよ。りんは可愛いから」
「ほんとっ!?嘘、じゃないよな……?」
「あぁ、本当だよ」
「じゃ、また来てくれよな」
「ああっ」
そんなやりとりをしながら俺たちは同じ布団で寝ることにした。
おやすみ。それにしてもりんって勿体無いよな……。
まぁ、それも魅力か。