次の日、俺はにわとりの鳴く声で目を覚ました。
隣には一糸纏わぬみちるさんが横にいる。
あぁ。やっちゃったんだなぁ。
そう思っているとおばばの大声が聞こえてきた。
「ふぁぁ。おはようございます……。」
寝起きで油断をしているみちるさん。
エロい……。
そして俺が見ているのにもかかわらず何も気にしないで着替えをするみちるさん。
「おばばが呼んでるから下、いこっか?」
「そうれすねぇ〜。」
まだみちるさんは眠そうだった。
「昨日はお楽しみじゃったのう?」
いじわるな笑みを浮かべて言ってくるおばば。
「おかげさまで。それで朝って何か仕事はありますか?」
「朝といえば水汲みに決まってるじゃろうが。お前の家では水を使わないのか?」
「あぁっと。外界では水道が発達してますからね。とりあえず、汲んできます。」
「みちる。川までの道を教えてやれ。あと薬草の採取も頼む。」
「わかりました〜。それではいきましょうか?」
「はい。お願いします。」
こうして川まで行く俺とみちるさん。しかし川まで思ったより遠いなぁ。
帰りにはこれに水の重量か。まっ、大丈夫だろ。
こうやって俺は水を持っておばばのところまで戻ることにした。
みちるさんは山に薬草を取りに行くらしい。
しかし医者を志すとはすごい人だなぁと思いながら水を持って帰ると、
俺はとても恐ろしいものを聞いた。
グルルル!!グルルル!!
それは飢えた獣の叫び声だった。
そして辺りを見回すとそこには2Mくらいある大きな2足歩行のガタイのいい動物がいた。
ザ・クマ。人類の天敵である。素手で勝てるのは間違いなくごく一部の空手家であろう。
俺には絶対に無理だ。
見た目、少し愛らしかったが俺には恐怖しか感じなかった。
「ぐる?」
どうやら熊は俺に気がついたようだった。
そして走って俺に近づいてくる熊。こいつ、巨体の割に足が速い。
多分逃げても追いつかれて喰われる。というより今、逃げて追われている。
そして俺はベタな展開だが木の根に躓いて転んでしまったのである。
「アワワワ!!」
もうダメだ。そう思った時に俺は一つ、そうだ、古来より伝わる熊に出くわした時の最後の手段があった。
たぶん通じないだろうがそれしか方法がなかった。
そう。その手段は……、死んだふりだった。
(今の俺は死体、今の俺は死体、熊に殺された哀れな犠牲者!!)
「ぐるる!!」
俺が死んでいるのに驚く熊。このまま騙し通せるか?
そう思っていると熊は俺の足を引っ張って引きずり出した。
巣に持ち帰る気か!!
そう思ってはいるが死んだふりをやめると今すぐに殺されそうな気がする。
ごめん。みちるさん。約束、果たせなくて。
ごめん。島のみんな、救ってあげられなくて……。
まさか来てから二日目でクマに殺されるとは……。無念。
そう思っていると声が聞こえる。
小さな女の子の声だった。

「あっ、男の人だ。島に本当に来てたんだ!!」
「危ない!!」
このままじゃ俺だけじゃなくて幼女まで熊に食べられてしまう。
せめてこの女の子だけでも、
そう思った俺は火事場の馬鹿力で油断している熊の手を振りほどくと
雄たけびらしき奇声を発して熊に襲いかかった。
「うがぁぁぁ!!!」
「ぐる!!」
俺の執念に驚いた熊は一瞬怖気ついた。
しかし、俺は簡単に熊の力で捕まってしまう。
熊の爪がおれの腕に食い込む。
だがまだツキはあった。俺を捕えるために熊は両手を使っていたのである。
なら熊は女の子を捕まえるためにしばらく手が使えない。
「そこの女の子!!いますぐにこの熊から逃げるんだ!!
熊が両手を使っているうちに早く!!」
必死の俺の訴えに不思議そうにしている少女。たぶん、気が動転しているのだろう。
「あの、お兄さん?どうしてゆきのはくまくまから逃げないといけないの?」
そうするとその女の子は落ち着いていっていた。
しかし変だ。熊を目の前にした人間の反応とはだいぶかけ離れてた。
「熊に喰われるぞ!!死にたいのか!!」
「くまくまはそんなことしないもん。くまくま、その人を離してあげて。」
と幼女がクマに命令する。すると熊はそのいうことに従った。
「ぐる。」
そしてくまは幼女の言うとおり、俺の両手を離したのである。
もしかしてこいつ、熊の言葉が話せる?
興奮冷めやらぬまに俺は聞いてみることにした。
「あの、ひとつ聞いていいかな?」
「なぁに?お兄ちゃん。」
その幼女は顔に笑顔を浮かべていた。
「君は熊の言葉がしゃべれるの?」
「何言ってるの?動物は人の言葉が理解できるんだよ?」
幼女の口から当然のように語られる衝撃の事実。
「俺の言葉も理解できる?」
「お兄ちゃん、何言ってるの?」
と呆れられてしまう。どうやらこれはこの島の常識らしい。
横で熊もやれやれといったポーズをとっている。
とりあえずここの熊は話の通じる理知的な動物らしい。
すると,さっき俺のとった態度は非常に失礼だと言わざるをえないだろう。
とりあえず、俺は熊にさっきのことを謝ることにした。
「野蛮な獣と勘違いして怯えたり迷惑をかけてすみませんでした。」
「ぐる。」
分かればよろしい。といった態度をとる熊。
これでとりあえず俺の命は助かったわけだ。
あとは目の前にいる幼女である。
「君、いくつ?名前は?」
「ワタシはれでぃなんだから子供扱いしないでよね!!」
幼女の機嫌を損ねてしまう俺。背伸びしたい年頃なのだろう。
しょうがない。付き合ってやるか。
「そこの綺麗なお穣さん、お名前は?」
我ながら臭いセリフだ。
「私ね、ゆきのっていうの。こっちの子がくまくま。」
「ぐる!!」
と、くまくまが手を挙げる。
なるほど。ゆきのちゃんにくまくまか。
安易なネーミングセンスだ。
安心した所で俺は自分の仕事を思い出す。
みちるさんも心配しているだろう。
「しまった。おばばの仕事、放り出して来たんだった!!」
正確には来たというよりはくまくまに連行されたというべきだろう。
だがそんなことは些細な差で事実が大切なのだ。

「あっ、お兄ちゃん。それなら大丈夫。はむはむを代わりに行かせたから。」
はむはむ?
多分、この子の命名法から判断するにハムスターだろう。
だがハムスターが水汲みをしているところが俺には想像できなかった。
「はむはむって、ハムスターだよね。あの手のひらサイズの?」
「違うの。はむはむはくまくまと同じくらいの大きさだよ?」
「くまくまと!?」
世界最大のハムスターだってそこまでは大きくない。
多分、この島の生態系は非常に独自の進化をしたのだろう。
よく考えればくまくまだってかなり俺の知っている熊とは姿がかけ離れている。
見たところ意思疎通もできるみたいだし問題はないだろう。
後でお礼を言っておこう。
「とりあえずおばばの家に戻ろうと思うんだけど、ここからおばばの家まで案内を頼めないかな?」
「うん。わかった。」
こうしてゆきのちゃんに連れられておばばの家まで戻る。
そして、ことの顛末を話した。
どうやら藍蘭島では言葉の分かる動物とともに暮らしをしているらしい。
そして魚と野菜を中心とした食生活をしているそうだ。
「まぁ、確かに外の人間が熊に会ったら普通は死を覚悟するじゃろうな。」
「そうなんですか〜?くまくまちゃん、可愛いじゃないですか〜。」
おばばはこの島以外で暮らしていたこともあったらしく、
俺の思考がある程度は分かってくれているようだった。
そして生粋の住民のみちるさんにはさっぱりだった。
確かに慣れてみれば可愛いかもしれないが、いきなり現れたら恐怖の対象でしかない。
「で、お主はこの島でどうすることに決めたのじゃ?」
おばばは俺に聞いてきた。昨日の問いの答えだろう。
「そうですね。とりあえずはいろいろな女の子の家を回ってこの島に慣れようと思います。」
「まぁ、いいじゃろう。それで泊まるところはもう決めたのか?」
「そうですね〜。」
「お兄ちゃん、今日はゆきのの所に泊まっていかない?」
とゆきのちゃんが提言する。
これも何かの縁だ。そこに泊まろう。
「実は決まっていないので、ゆきのちゃんの所に泊まっていこうと思っています。
いいよね?ゆきのちゃん。」
「うん。いいよ。お兄ちゃんなら大歓迎。うちんちは大所帯だから一人増えたってたいして変わらないしね。」
快く了承してくれるゆきのちゃん。
「この、人でなしめ。」
冷やかな眼をしておばばが言った。
まぁ、この子に手を出したら人間失格、この島の獣は理知的だから獣未満だろうな。
「さすがにこんな小さい子に手出しはしませんよ。最低限のモラルはありますから。」
「冗談じゃよ。」
「どうして人間失格なの?しかもゆきのは大人のれでぃだよ。」
「はいはい。」
と不機嫌になるゆきのちゃんを諌める。
まだこの子には早すぎる。
「それじゃ、おばばさん、みちるさん、お世話になりました。」
「達者でな。」
「また泊まりに来てくださいね〜。」
とおばばの家を去ってゆきのちゃんの家に行く。
家にはゆきのちゃんより少し上くらいの女の子がいた。
髪の色も同じだし顔も似てるし間違いないだろう。

「あっ、ゆきのちゃんのお姉さんですね。本日、お世話になります。」
「あらやだっ、お姉ちゃんだって、お上手ねぇ。」
「お兄ちゃん。あれ、お母さん……。」
「ゲゲェ〜!!」
どう見ても俺にはあれがゆきのちゃんの姉にしか見えなかった。
少なくともあれは大人には見えなかったのである。
動揺しながらもきっちりと話を続ける俺。
「ゆきのちゃんのお母さんでしたか。若く見えたので間違えてしまいましたよ。
それで本日、この家に泊めていただきたいのですがよろしいでしょうか?」
いけねっ。若くじゃなくて幼くって言いかけた。
「そんな堅苦しくしないで、かがみちゃんでいいって。」
「それではかがみさん。本日はよろしく……。」
「かがみちゃん」
すごく凍りついた微笑みを浴びせかけられる。
こういったところはどこかしら親子で似ているものがあるのだろう。
「それではかがみちゃん。今日はよろしく。」
「何もないところだけれどもゆっくりしていってね〜。」
「それではおじゃましまっ!!」
俺はゆきのちゃんの家に踏み込んだ。
しかし、そこにはこの世ならざる光景が広がっていた。
頭の中であのBGMが再生される。
どうぶつハウスだ!!
そこには、とても元いた世界では考えられない奇妙な生き物が大量にくつろいでいたのである。
「ゆきのちゃん。もしかして、あれ全部お友達?」
「そうだよ。」
見た限りでは、犬、鷹、猪、鴨、狐、針鼠、梟、ペンギン。
どれも外見で種別は分かるもののこの世のものとは思えない見た目をしていた。
「今日はお世話になります。よろしくお願いします。」
とりあえず挨拶はこれでいいだろう。
その後、俺はゆきのちゃん達と山に採取に行った。
これだけの動物が食べていくためには畑の収穫では足りないらしいのだ。
不慣れな山をゆきのちゃんに案内してもらいながらも採取を手伝う。
やはりくまくまやはむはむ等、大動物組は力もかなり強かった。
そして数時間が経過する。

時計を見てみると時計は3時を指していた。
どうりで疲れているはずだ。
「みんな〜、おやつの時間にしましょ〜。」
「ぐる♪」
といってとった中から果物を取り出す。
最初に一人でブドウ一玉をを分けると聞いた時はやたらとケチ臭い話だな、
と思ったが見てみるとその理由はよくわかった。
この島のブドウ一玉はスイカ一個に相当するのである。
「お兄ちゃん。何か珍しいものでもあったの?」
「いや、外の世界に比べてぶどうがやけに大きいなと。」
「お兄ちゃんのいたところではぶどうはもっと小さいの?」
「だいぶ。」
こんな話もして、仕事を済ませたところで家に帰る。
「ゆきのちゃんはしっかり者だね。」
「そうかな?ありがとう。お兄ちゃん。」
褒められて喜んでいるゆきのちゃん。
「帰ってご飯食べたらお風呂入ろうか?」
「うん。」
まぁ、風呂に入るくらいなら問題はないだろう。
外の世界でも11歳なら父親と一緒に風呂に入れるだろうから。
この年で父親がいないのか。
この子も母親も大変だろうな……。
「お兄ちゃん、どうしたの?考え事?」
「いや?ぼーっとしてるのが好きなんだよ。」
「そうなの?あっ、お兄ちゃん!!前、前!!」
「うぁっとっと、ぎゃぁぁぁ!!」
やべぇ。考え事をしているうちに足を滑らせた。
しかも姿勢制御でどうにかなるようなレベルじゃない。
せめてもの姿勢で荷物は分離して、くまくまにキャッチさせたが、
その反作用で自分の勢いはもう止まらない。
多分、俺が止まる頃には大怪我だろう。
そう思っていると目の前に人がいた。
まずい、女の子に衝突する。

「そこの子!!危ない!!よけろ!!」
しかし俺の言葉はこの子には届かなかったようである。見事に激突する。
しかしながらこの子、力には自信があるようでその場で踏みとどまっていてくれていたのである。
そして俺はやわらかい胸の中にいた。この子が俺をきっちりと抱きとめるような体勢で。
しかしながらやわらかい。もしかしてみちるさんより胸が大きい?
俺はそんなことを少しだけ考えていた。
「あぶねぇなぁ。きっちり前を向いて歩け。分かったな?」
「すみません。危ない所を助けていただきまして。」
俺はその子の腕から脱出しようとするがなかなか振りほどけない。
別にこの子が力を込めている訳じゃない。俺が情けないのとこの子の力が強いだけである。
しかしながら、こうもやわらかいと罪悪感を感じる。
「あの、すみませんが手を解いていただけませんか?」
「うぁとっと。わりぃな。」
少女は赤面しながら手を離す。しかしながら大きい身長と胸だ。
髪型はポニーテールで赤髪。強気そうな顔だちをしている。
腰に大工道具がついているということは家は大工なのだろう。
よかった。きっちりと受け止められる人が下にいて。
「いえいえ、こちらこそ足を踏み外して。」
俺がお詫びを入れると心配したゆきのちゃんが声をかけてくる。
「お兄ちゃ〜ん!!大丈夫!!」
「おう。俺の荷物は平気か?」
「うん。くまくまがしっかりと受け止めたから大丈夫!!」
「そりゃよかった。こっちも大工の娘さんに受け止めてもらった!!」
「今、行くね〜。」
「おぉ〜。気をつけろよ〜。」
俺はゆきのちゃんに注意を促す。さすがに二人目は冗談にならない。
「今の声はゆきのだな?」
姉御肌の女の子がおれに聞いてくる。
「もしかして知り合いさん?」
こんな狭い村、誰だって知り合いに決まってるだろ。俺は言った一瞬後で思った。
「お前、この島に流れ着いてきた男だろ。あたしはりんっていうんだ。よろしくな。」
そう自己紹介する姉御肌の少女。りんっていうのか。それにしてもスタイルいいなぁ。
おもわず見とれてしまう。
「あっ、りん姉!!受け止めててくれてたんだ。」
「まぁな。それよりもさ……、そのさ……あのさ……」
「何?俺に出来ることならなんでもするよ?」
「今日、あたしんちに泊っていかない?もし、泊る所がないならさ……。」
「りん姉、だめっ!!お兄ちゃんは私の家に泊まるの!!」
「うるさいっ。ちびには聞いてないんだよっ!!」
睨みあう二人。LサイズのりんとSSサイズのゆきのはたぶん、相性が悪いのだろう。
「お二人とも。納めて、納めて。その、りんちゃんだったけ?」
「あぁ。りんでいいぜ。で、何だ?」
「今日はもう先約があるんだけど、明日お邪魔していいかな?泊まるあてもないし。」
「えっ……、」
赤面するりん。意外と恥ずかしがり屋なところもあるようだった。
まぁ、少しは性的なことも想像しているのだろうか?
いかんいかん。
「だめ〜。明日も泊っていくの!!」
「いや、さすがに二日も迷惑をかけるのは悪いよ。」
「迷惑じゃないもん!!む〜!!」
「諦めろってんだよ。」
「また泊まりに行くから。ゆきのちゃんは大人のれでぃでしょ?大人の女ってのは待ったり駆け引きをするんだよ?」
「分かった……。」
「ということでよろしくお願いします。」
「あっ、あぁ。明日だよな?分かった。じゃなっ!!」
嬉しさと恥ずかしさを足して2で割った表情をしながら駆け降りて行くりん。
本当にこの島の女の子は魅力的だな……。

「痛っ!!」
その後、おれはゆきのちゃんに足を踏まれた。
「お兄ちゃんの顔、少し変だった。」
「そうかなぁ?」
なんとか誤魔化し笑いをする。確かに今さっきのは下心が見えていたような気もする。
こうして、俺は何事もなく山道を下って行った。
「おかえり〜、ゆきの〜。」
家の前で待っていたのはかがみさんだった。
「ただいま、お母さん。今、食事作るからね。」
といって台所に向かうゆきのちゃん。
この年でもう食事を作るのか。偉いな〜。
と俺は思った。俺の作れる料理はカップ麺だけだ。
そしてしばらくして食事ができる。
「いただきます」
食前にみんなでいただきます。
あぁ、小学校以来だな。
どれどれ。この煮物なんて美味しそうじゃないか?
と箸をつけてみる。
「!!」
なんだこりゃ!!甘すぎる。
しかし周りは気にしないで食べている。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「いや、なんでもないよ。最近、手作りの料理って食べてないなって。」
作った本人を傷つけないようにへらへら笑っている俺。
「そうなの?」
「あぁ。外の世界にはお湯をかけるだけで出来る便利な食事があるからね。健康に悪いのが玉に傷だけど。」
ふ〜。なんとか誤魔化した。しかしこれは命にかかわるぞ。
そうは言いながらも少しずつ食べる。
「ほらほら、年頃の男の子なんだからたくさん食べるでしょ?はい。あ〜ん。」
何も気にしていないかがみさんと、思わず反射で口を開ける俺。
ああ馬鹿……。でもしかたないじゃないか。こんなかわいい子に言われたら思わず開けちゃうよ。
予想通りきつい甘味が俺を襲う。
そして食事中は地獄だった。願わくば……、りんちゃんの料理が上手であることを……。

「お兄ちゃん。大丈夫?」
「ただの食いすぎだから平気、平気。」
「そっか。じゃ、みんなでお風呂はいろっか?」
「そうしよう。」
風呂に行けば少しはこの胸焼けも収まるに違いない。
こうして風呂に行く。
さすがに俺も鬼畜じゃない。幼女の裸なんかに感慨は……。
「どうしたの?顔赤いよ?」
と聞いてくるゆきのちゃん。
周りにはたくさんの動物が風呂に入っていた。
「あはは、何でもないよ。」
ごめんなさい。俺、動物未満でした。
やはり幼女とはいえ体つきがどうなってるのか気になってしまうのでした。
そして極めつけはかがみさんだった。
下心も単純な興味も含めて俺はかがみさんの裸が気になっていた。
この体で一児の母である。ゆきのちゃんが小さいとはいえこの年でこの見た目。
「あらやだっ。もしかして私の裸に興味あるのかな〜?」
とくすくす笑っているかがみさん。さすがは大人なだけあって余裕がある。
「いっ、いえ、そんなことは……。」
「まったまた〜。それっ!!」
俺の隙をついてむぎゅって抱きしめてくるかがみさん。
なんともいえない感触が伝わってくる。
相手が何も知らないみちるさん相手ならなんとでもなったような気がするが
こっちは海千山千の人妻である。こっちは大人しく食べられる立場だったのだ。
「それそれ〜!!」
「ん〜!!」
自分のアレに石鹸をぬりたくってくるかがみさん。
行ったことはあるわけがないがソープランドというのはこんな感じなんだろうか?
だんだんと意識が朦朧としてきた。
顔がものすごい熱い。
もう後のことは覚えていなかった。

夜はゆきのちゃんを相手に双六をやる。
まぁしっかりしていても所詮は子供。やはり夜にはかなわないのである。
俺か?俺は夜型の人間だからな。
でも今日は疲れた。まさかかがみさんにあんなことをされるとは……。
「お兄ちゃん、一緒に寝よっ。」
「えっ!!あっ、あぁ。」
あぁびっくりした。
さすがに同じ布団で寝ようってことだよな?
そう思っているうちにゆきのちゃんは布団をしいている。
「おやすみなさ〜い。」
「おやすみ。」
こうしてゆきのちゃんに抱きつかれて寝る俺。
俺はロリコンじゃないがゆきのちゃんの体温はとても温かい。
そしてゆきのちゃんの体は柔らかかった。
俺にぎゅっとしがみついているゆきのちゃん。
俺のことをお父さんだと思っているのだろうか。
そう思うとなんだかとっても愛おしく思えてきた。
そしてゆきのちゃんのすやすやといった寝息が聞こえる。
おやすみ、ゆきのちゃん。また明日。
これで俺の一日は終わったのだった。
明日はどんな一日になるんだろうか?



実は夜はちっとも終っていなかった。ここからが本当の夜の始まりなのである。
ゆさゆさ ゆさゆさ ゆさゆさ ゆさゆさ
誰だ?俺を起こすのは。
いったい誰なんだ!?
「!?」
俺はゆきのちゃんを起こさないように目を覚ます。
なんとそこにいたのはかがみさんだった。
「じゃ〜ん。まだ夜は始まったばかりだよ〜。」
「……。」
なるほど。娘が寝付くのにそんなに時間がかからないと踏んでいたのか。
しかも一度寝てしまえば熟睡して朝まで二度と起きないとも判断している。
さすがは母親だ。娘のことを熟知している。
「こんばんわ。こんな夜分遅くに何か用ですか?」
「あらいやだ。分かってるくせに。」
「ここで話をするのは教育上あまりよくありません。場所を移しましょう。」
「そうね〜。うふふ。」
まさかこう来たか。妄想、いや想像はしていたが、まさか本当に来るとは思わなかった。
そして場所を移す。現在地はかがみさんの部屋だ。
「昨日はみちるちゃんの家に泊ってたって聞くけど何かあったのかな〜?」
「さぁ?なんのことやら。」
「とぼけたってむだだよ〜?どうせXXXなことをしてたんでしょ〜。」
「ご想像におまかせします。」
「白状なさいっ。」
「だいたいはあなたの考えているとおりです。で、私を起こした訳は?」
「ふふふっ。あなたの考えてるとおり。外では女の子とお付き合いとかあったの?」
「いえ、全然。この島に来てからですね。」
「ふっふ〜。ってことはまだ何も知らないわけだ。」
「えぇ。まぁそれは。」
「じゃ、私がいろいろ教えてあげる。脱いで。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!」
いきなりかがみさんに服を掴まれ脱がされてしまう俺。
かがみさんも服を素早く脱げるようにしていた。
そこには10代の幼女と熟女の色気が同居してなんともいえない雰囲気が出ていた。
「いいんですか!?こんなことして。」
一応、この人には行方不明になった夫がいるはずである。
その人への裏切りにはならないのだろうか?
「大丈夫。この村では昔から人妻が若者に実戦で教える風習があるのよ。それに事は急を要するしね。」
「そう……、ですか。よろしくお願いします。」
「よろしい。じゃ、まずは基本から教えてあ・げ・る。私の後ろに立って。」
「こうですか?」
俺はかがみさんの後ろに立った。何をするつもりだろうか?

「まずは前戯から。私が感じると思ったところを触ってみて。」
「はっ、はい。」
言われるがままに俺はかがみさんの乳首の辺りを撫でまわした。
胸はゆきのちゃんと同じくらいの大きさしかなかったけど
それでもほんのり膨らんでいて女の人の胸だった。
「そうそう。ときどき乳首をつまんであげると女の子はびっくりして興奮してくれるわよ。」
「なるほど。」
言われるがままに乳首を摘まんでみる。
「そんなかんじ。そんなかんじ。あと感じそうな部位は?」
「ここでしょうか?」
俺は恐る恐るかがみさんの秘所を愛撫する。
しかしどうやったら上手に出来るのかが分からなかった。
「あぁん。そうじゃないの。ここはね、すじを伝うようにするの。ほら、やってみて。」
「こう……ですか?」
「そうそう。なかなか分かってるじゃないの、このえっち!」
「そうですか?」
と言いながら胸も同時に攻めてみる。
「あぁん、くすぐったぁい。あと少しだからがんばってみて。」
「それっ!!」
ここぞとばかりに乳首を摘まんでみる。
するとかがみさんの秘所からいやらしい愛液が垂れだした。
「はぁはぁ。とりあえず、これが女の子のおっけ〜サインだからここまでは入れるのは我慢すること。分かった?」
「了解です。」
「それじゃ、入れて。」
「分かりました。」

俺は昨日、みちるさんにやったようにかがみさんを横にしてギンギンに起った棒を押し込もうとした。
すると横から注意が飛んできた。
「強引にいれちゃだめよ。私みたいな慣れてる人はともかくとして全く知らない人を相手にすることもあるんだからね。」
「はっ、はいっ。」
「ゆっくり、ねじをまわすように。そうそうっ、あぁん!!」
いろいろと注意はしているがちゃんとかがみさんは感じている。
それが分かっているから俺はがんばれた。
この人一見、昼行灯のようだけど人に物を教えるのがとてもうまい。
俺はそれを体感した。
「えっちは基本的には女の子との一体感を愉しむものなのよ。相手の気持ちを考えた速度で上下に動いて。」
「むっ、難しいですね。」
「ふふっ。慣れれば簡単よ。私も合わせて動いてあげるから。」
「がっ、がんばりますっ!!」
「そんなに力まなくていいのよ。そう。そうそう。」
かがみさんに手ほどきをうけて、Hが一体感だというのがなんだか分かってきたような気がする。
いまの俺たちみたいな気持なんだ。
こうして上下に動くこと数分。しかしその時間は一時間にも二時間にも感じられた。
かがみさんのモノは本来なら使い込まれているはずなのだが、
処女のみちるさんのものと比べても遜色がなかった。
これもかがみさんマジックなのだろうか?
そうおもっているうちに限界がきたらしい。
それにしてもかがみさんは苦しそうだが俺に比べたら平気な顔をしている。
俺もまだまだということか……。
「はぁ、はぁ、かがみさん、出したい!!」
「ウチにぶちまけてぇぇ!!」
「はいぃぃぃ!!」
俺は溜っているものを思いっきりぶちまけた。
後で考えたのだけどこの子はゆきのちゃんの妹になるのだろうか?
そうなると少し怖くなった。
「これで今夜の講義はこれでおしまい。あとは実戦あるのみだからがんばりなさい。」
「ありがとうございます。」
「あと、もう少し実戦を積んだらうちにもう一回きなさい。もう少し上のことを教えてあげるから。」
「分かりました。今度は負けませんからね。」
「ふふっ。うちの壁は厚いからね。」
「それではあの子が不審がるといけないので部屋に戻りますね。」
「おやすみ〜。」
こうして俺の本当の夜は終った。
そしてゆきのちゃんの布団に入って寝る俺。
それじゃ、また明日……。