ある日の昼下がり、まちは行人とでも遊ぼうかななどと思いつつ行人の家へ向かっていた。
家の近くに着くと、妙な声が聞こえる。
「行人様?…」
窓の隙間が開いているので、覗いてみたが…そこには信じられない光景が広がっていた…

交わり合う二人の男女

もちろん、行人とすずである。
「そんな…行人様が…」
驚きとともに「やっぱり」と言う気持ちもあった。
あの二人は周囲から見てもとても仲が良く、行人はどうせ鈴を選ぶだろう、と思ってはいたが…
いざ結ばれるとなるとやはり悲しい。悔しい。妬ましい。
「あっ…うにゃぁぁ…気持ちいいよぉ行人ぉ……」
頭の中に入ってくる鈴の快楽の声。

しばらくその場に立ちつくしていたが、ふと「見つかるかも知れない」と言う不安が出てきた。

とりあえず今日は帰ろうと思うと…何という事だ、鈴と目が合ってしまった。
しかし、鈴は行人に知らせることもなく…笑った。
いつもの元気な明るい笑顔ではなく、女の不敵な笑み。



気がつくとまちは走ってその場から逃げていた。
やっと家に着いた…しかし鈴のあの顔…行人は自分の物だ、などと考えているに違いない。
どうせ行人も鈴を選び結婚するだろう。私には目もくれずに…
そう考えると涙が自然と垂れてきた…


その頃の行人と鈴
「ねぇ行人…浮気とかしないでね。私だけだからね!」
「もう何回も聞いたよ、鈴。」
「あ!そうだ、さっきまち姉が覗いてたよ!」
「えっ!ホントに?やばいなぁ」
「どうしよ〜まち姉絶対怒ってるよ〜呪われたりしたらやだよ〜」
「うーん…そんなことするコじゃないから大丈夫だとおもうけどなぁ。」