すずは深刻に悩んでいた。最近行人が一緒にお風呂に入ってくれないのだ。
それどころか一緒に遊ぼうともしてくれない。近くによると真っ赤になって逃げていってしまうのだ。
何か嫌われるようなことをしてしまったのだろうか?しかしこんなことは誰にも相談なんかできない。
『行人がすずの家を嫌がっている』なんてことを言われてしまえばもう一緒には暮らせないかもしれない。
行人が暮らすのになれてしまった家。もう一人暮らしは耐え難い。
そして悩んだ末にすずは結論を出した。直接聞けばいいのだ、悩んでいるから変な考えが浮かぶ。
しかし逃げられてしまうならどうすれば…
「そうだっ!そうと決まれば…でも…行人答えてくれるかなぁ…」
不安に思いながら計画を練っていくすずだった。

最近行人はかなり深刻に悩んでいた。もう我慢ができないところまで来ているのだ。
ぶっちゃけ溜まりに溜まっているのだ。いつ人に侵入されるかわからない風呂で処理することは不可能だ。
というか自家発電中にすずが「はいるよ〜」などと声をかけてきたときには一度死んでから生き返った気がした。
かなりあわてて「まったァ!とりあえず今は駄目!後少し待って!というか入ってこないでぇ!」
という声が間に合ったときには真剣に自分を褒めたモノだ。あまり褒められたものではないが。
そのようなわけで、もう数ヶ月は抜いていない。このまま行くと聖人になってしまうのはないかと思っているくらいだ。
普段の生活自体が労働なので、ある程度は昇華できてはいるが、無にならないのが性欲というモノ。
最近はすずや他の女の子が寄ってくるだけでまずいくらいだ。後ろから抱きつかれたときは本気でまずかった。
もう一人で処理できるところはないのだろうか。今度からあげさんにでも…いや、あれ人間じゃないし。
いっそのこと一人で掘っ立て小屋でもたてようか。そこでなら…と危険思考に埋没していく。
女の子を襲うことをしないのが彼の良いところなのか。それともヘタレなだけなのか。
とりあえず、今日のところは風呂に入って寝てしまおう。そう考えた。
「すず、お風呂先に入っていいかい?もう眠くって…」
「えっと…ああ、うん、良いよ?」
…?何かすずの態度がおかしかったがまあいい。彼女も疲れているのだろう。
滝に落ちることなんて人間そう何度もしたくないよなぁ。あれ?今日で何度目だったっけ?
なんて取り留めのないことを考えながら脱衣所に入っていく行人。
すずの眼が、強い決意の光を灯しているのに気づかないまま…

とりあえずいつものように頭から流す。一日でこの瞬間が一番生きていると思えるときかもしれない。
「っぷはぁ。うん、いいなぁ、やっぱり」
思わず独り言もでてしまう。しかたないじゃないか。だから
「行人?入るよ?」
などという声に反応できないのも仕方がないのだ。
いや、ちょっとぉ!?なんて言えないぐらいのレスポンス、これはもう『答えは聞いてないけど』というレベルだ。
ガラ!とかなりの勢いで戸が開いた。そこにいたのは申し訳程度の手ぬぐいで前を隠した全裸のすず。
もう今の自分では耐えられない。一気に息子が総立ちである。こちらも手ぬぐいで隠す。というか見つかるとまずい、超まずい。
「ちょっとすず!入って来ないでっていつも言っているだろ!?」
言い方がきつくなったが仕方がない。近寄られると紙より薄い理性が崩壊しそうなんだから。

無言で近寄っていくすず。行人の肩を両手でしっかりとつかんだ。
すずの考えた計画。それは行人が嫌がっても無理矢理お風呂に入っていくこと。
夜中で裸ならば行人も逃げようとしないだろうし、タイミングさえ逃さなかったら確実に話ができる。
計画と言うには稚拙すぎる気もするが、そこはすず、本来計画なんか立てられるような子ではないのだ。
「行人」
真剣に眼を覗く。聞きたいことがあったら相手の目を見て話せとおばばに言われている。
裸の付き合いとも言うし、聞きたいことがあったら風呂が一番だと思ったのだ。
行人は真っ赤になっている。やっぱり怒っているのだろうか?いや、なぜ怒っているのか聞かなければ謝ることすらできない。
「いくと、最近何かあった?どうして一緒にお風呂入ってくれないの?」
やっぱり自分が悪いのだろうか?行人に嫌われた?何をしてしまったんだろうか?
「やっぱり私が悪いの?な…何か嫌われる…よ…なコトしたのかなぁ…?
私が悪いなら…何が…わ…悪いのか…グスッ…言ってよぉ…頑張ってなおすから…
だから…で…出て行くなんてしないでよぉ…」
駄目だ。行人に嫌われていると思うと涙が出てくる。後は泣き声だけで話したいことも満足に話せない。
どうしたら良いんだろう。行人の肩をしっかりと押さえながらすずは途方に暮れた。

行人はかなり焦っていた。すずがそんな風に考えていたなんて全く持って考えもしなかった。
泣かせるのはまずいが、今の状況だって凄くまずい。しかし目の前で泣いている女の子がいるのだ。
慰めなかったら男が廃る。頭の片隅で女の子の匂いってなんて甘い匂いがするんだろう。
妹なんかと大違いだなぁ…とか脱線しまくる思考を封印する。
「すず。よく聞いて。僕はこの家を出て行こうなんて考えていないし、すずを嫌いになんてなるわけないじゃないか。
そりゃ最近避けていたのは悪かったけど…それはすずが悪い訳じゃないし。それに最初にすずが助けてくれなかったら
僕は死んでいたんだから。そんなすずを嫌いになんてなれないよ。むしろ僕はすずが好きだよ」
さらりと言ったが心臓がバクバク鳴っている。顔もよく見ればさっきより真っ赤になっているだろう。
これはすずが『好き』ということの意味を取り違えることを前提で言っているので少し卑怯な気もしたが、
今は本当の心を伝えるのが一番なのだと思った。
「だから、ね?泣き止んでよ、すず」
頭を抱えて撫でてあげる。妹泣いたときはよくこうしたものだが、同年代にしてよいものなのかはわからない。
でも嫌がってはいないようだ。そうならば泣き止むまでこうしていよう。

ぐすっ…と鼻をすする音がまだ聞こえてくる。いい加減泣き止んでくれないだろうか?もうはっきり言って限界になってきた。
落ち着けるためとはいえ、密着しているのだ、おかしな気になるのも仕方がない。こんな美少女と裸で抱き合うなんて
何処のエロマンガだよこれ、と自分の冷静な部分が伝えてくる。彼の普段の生活こそ何処のエロゲーなのかという状況なのだが。
そうこう考えているうちに、泣き止んだすずがこちらをのぞき込んでいた。
「えへへ…久しぶりに泣いちゃったなぁ…ね?ホントにわたしを嫌っている訳じゃないんだよね?」
涙で潤んだ目でのぞき込んでくる。理性が崩壊しかけたが、奥歯をかんで耐えきった。
これも普段の鍛錬の賜物だろう。嫌っているはずの父親に感謝したのは初めてかもしれない。
「う…うん。そうだよ、だからさ、その、わかったなら早く出て行ってくれないかな?」
「やだ。もうちょっとこうしてたい」
そんなことを言って、ぎゅっと抱きついてくるすず。普段めったにわがままを言わないすずがそんなことを言うなんて、
ホントに悪いコトしたなぁ、という自分と、うわぁ!む、むむ、胸がぁ!直に、直にぃ!と完璧にパニクっている自分がいる。
「?あれ、何これ?」
「どうしたの?何かあった?」
「いやおなかに何か堅いものが当たって。何だろこれ…」
そういうか早いかと言うぐらいに、行人は飛び退いた。それと同時に手ぬぐいがはらりと落ちる。
「うわ!いくとはれちゃっているよ!?どうしたのそれ!?…まさかそれがあるから最近避けていたの?」
見つかった、もう死にたい。そう考えると同時にすずが言っていることがあながち間違いじゃないことが凄いなぁ、なんて
現実から逃げ始めていた。
「だ、大丈夫!大丈夫だから!放っておけば治るものなんだから!」
しかし、本気になったすずにそれはむなしい抵抗だった。しゅたん、と聞こえたと思ったら、目の前にすずがいた。
「駄目だよ!そんなにひどい腫れなら簡単に治るわけないよ!…ああもうこんなになっちゃって!」
怪我の具合を確かめるかのように優しく触ってくるすず。もう他人にソレを触れられたという状況でどうにかなりそうだった。
「い…や…もう!いいから…やめて!」
「駄目だったら!行人、もう!おとなしくして!」
ああ、もう駄目だ。最後の理性の壁が崩れる音がした。
「えっ?いくと?」
すずの肩をがっしりと掴んで後ろに押し倒す。そしてそのまま唇を貪った。
「ぅむ!ふぅ、んぅ!」
舌をつき入れてすずの唾液を吸い出す。ジュル…ジュルル…ゴクッ
甘ったるい味と香り、自分が何をやっているのかもぼんやりとしてきて、いつまでもこれを味わっていたくなった。
「むぅ!ん…ぷはぁ……いく…と?」
名前を呼ばれて意識が戻った。自分は何をしているんだろう?何ですずを押さえつけて…
「ごめん…もう止められない。いやなら早く逃げて。もう無理だ」
押さえておいて何を言っているだろうかじぶんは。そう思った。

そのときすずは。行人が何かを言っているのはわかるが、聞き取るだけの理性が欠け落ちていた。
今行人に『きす』をされて、頭がぼんやりして。躰中に力が入らなかった。
たぶん本気になれば行人を逆にはじき飛ばせるのだろう。しかし、すずの本能とでも云うべきものが
その選択肢を拒否していた。躰がもう受け入れていたのだ。
行人になら何をされてもいいと。むしろこの気持ちよさより上に行くなら、何でもよかった。
「いくと、きて?」
だから、よくわからないけれど、自分は彼を受け入れるべきなのだろうと思った。

おぼつかない口調で言われた瞬間、行人の理性は吹っ飛んだ。
無理矢理に唇を奪い、舌を突き出す。唾液を啜りながら前からでかいと思っていたすずの胸を揉みしだく。
「じゅ…じゅる…っはぁ…ひゃう…うにゃあ……」
つたない知識の中で、胸のさわり方を思い出して実践に移す。
「!くぅ…にゃ…あぁ…ひ…ふぁ!…い…いぅ…とぉ」
その度にすずは素直な反応を返す。ソレが楽しくなってきたのは事実ではあるが、我慢がもうできそうになかった。
「すず、痛いと思うけど、我慢して。僕にしがみついてていいから」
下を確かめると始めて見る女性のソレ。経験はないが、ドロドロに溶けていそうなそこは、もう準備できているのだと思えた。
自身に右手をあてがい、割れ目に導く。この場合、ゆっくりやるのと一気にいくの。どちらも痛くない場合のケースとして
紹介されているが、経験のない行人はわからなかった。とりあえず自分が我慢できなかったので、先が入り次第
一気に貫いた。
「〜〜〜っ!」
すずが声にならない悲鳴を上げて、自分の背中に爪を突き立てる。
「っ!」
痛みはあったが、その痛みがなければ確実に自分は果てていた。それでも十分すぎるほどの快感なのだが。
すずはしばらく呆然とした面持ちをしていたが、じわじわと顔が紅潮してきた。
彼女の膣が自分を絞り出すように動いている。ハァ、と心なしか息も荒くなってきている。
小刻みに動き始めた。ゥン、なんて可愛い声も聞こえてきた。
「す、ず…だ…いじょう…ぶなの?」
これ以上激しく動いたら確実に出てしまう。しかしすずが痛がると思って我慢していた。
「ハァ…ん、いくとぉ…もっと奥にぃ…来てぇ…お願い……なんか…変になっちゃう…」
「わかった!もう僕も我慢できないよ!いくよ!」
思い切り腰を振る、リズムやら相手のことを考えないで、自分が気持ちよくなるためだけに一心に。
「ひゃあ!うにゃ!あぁ!ん…くぅ!」
それに合わせてすずが声を上げる。その声を聞いて自分も興奮してきてしまう。
「どう!?すず、気持ちいい!?」
「うん、もっと、きて、おねがいぃ!もっとぉ!」
もっと抽送を早くする。もう限界だという感覚が躰の奥からやってくる。
「ぅん、なにこれ、なんか、くる、きちゃうよぅ!」
「僕も、いくよ、もうすぐ、出る!」
ぎゅっ、とすずが自分を抱きしめてくる。
「からだ、どこか、いきそ、いく、いくとぉ!」
すずが僕の名前を呼ぶと同時に、僕は精をすずの膣へと放っていた。
びゅる、びゅるう、びゅく。数ヶ月ぶりに外に出た精液の量は半端なものではなかった。
ソレが凄い勢いで、すずの子宮を打ち付ける。
「あぁー!くぅ!あ…あにゃあ!」
すずの躰は僕からすべてを吸い取るかのように蠢く。体の奥からごっそりと何かが吸い取られていく。
ともすれば意識を一瞬で刈り取られそうになる快感がくるが、気力で耐え抜く。さすがに初体験の後に気絶したくないだけだが。
「はぁ、ん、っはぁ」
「はぁ、はぁ、はぁ」
二人して荒い呼吸をする。もう指一本も動きそうにない凄い疲労感がくる。
「いくとぉ…」
潤んだ瞳でこちらをのぞき込むすず。
「ねぇ…いくとぉ…もう一回…シタいなぁ…」
どうも体は動かないと思ったのに、下についてる自分自身は未だに堅いまま。潤んだすずの瞳を見て犯したいという
気持ちがムラムラとまた起きあがった。
「ひゃあ!」
まだふらふらな体を動かして、すずに壁に手をつかせた。

「ごめんすず!あんなコトしちゃって!責任はとるから!」
土下座。それは本当に見事な土下座だった。どんな極悪人でも許してしまえるほど素晴らしかった。
「えっと…何で謝るの?その…最初は痛かったけれど、気持ちよかったし…」
あれからバックから一回、さらに対面座位で一回と、日頃の疲れはなんのそのという勢いだった。
しかしどうも話が通じていない様子である。あんな大変なコトしたのにもかかわらずだ。これはもしかすると…
「えっと…すず?もしかして、何をしたのかわかってない?」
「え?何か意味あったの?あれ?」
どうもそのようだ、しかし自分がこの島に来て狙われた理由が子種だったような気がするのだが。
「あのさすず、その…生理って知ってる?」
それを聞いて真っ赤になるすず。
「な、何言ってるの!それくらい知ってるよ!何でそんなこと言うの!」
どうも生理について位は知っているようだが。
「なんでしっているの?」
「その…そういうことは大人に習うし、生理痛で休む子だっているんだよ?その…わたしはまだだけど…」
よかった、そう心の底から安堵した。さすがにこの年で子持ちになるのだけは避けたかった。
責任をとりたくないわけではないのだが、覚悟を決めていない段階でそういうことに臨むのはつらかった。
さて、未だに話が通じていないすずには説明が必要だろう。
「あのさ、生理ってなんのためになるか、それくらいは聞いているよね?」
「それくらいわかるよ!子供ができる体になったって…えぇ〜!」

それから行人は懇々と説明した。ああいうことを生理が起きた後にすると子供が生まれるかもしれないこと。
男はセックスと性欲が直接繋がっていること、自分で処理はできるがしなかったらしないでとんでもないことになるなど。
「うん、わかった。そういうことなんだね。でも…わたしまだ生理来てないから…またシテも…いいよね…?」
女の子から誘われる、それはこんなに威力があるのか。そうこの世の真理を悟った行人だった。

翌日。からあげさんがトテトテと寄ってきて、爆弾発言をかました。
(やっぱり人間の交合って声大きいよね。外までしっかりと漏れていたよ?)
「んなぁ!?」
(それにしてもいくとくん鬼畜だよねぇ、すずもう駄目って言っていたのに頑張っちゃうなんて)
「なななぁ!?」
(何?すずちゃんもらう気になった?でもこの話誰にしようかなぁ〜?いつもの修羅場のひどいのが見れそうだよね)
キレた。何が悲しくて他人に性生活が漏れなくてはならないのだ。
「この鳥ぃ!名前の通り唐揚げにして食い散らかしてやるぅ!」
(ありゃ、からかいすぎたかな?ほんの冗談なのに)
行人の木刀を軽々と避けてつぶやくからあげさんだった。