「だんなぁ」
僕は生暖かい水が頬に落ちたのに気づいて目を覚ました。
「だんなぁ、愛してるよ。愛してるんだよぉ」
「りん!一体どうしたの?」
そこには淫らによだれを垂らし僕に跨がり腰を振るりんの姿があった。
「だんなわぁあたいの初めて奪ったクセにすぐ他の女んもとにいっちゃうんだもん」
僕は必死に身体を動かそうとするが全く動かなかった。
「だからさぁ、あたいわぁだんなを離さないためにがんばってつくったんだよぉ」
見ると僕の四肢は罪人のように木でできた手錠で固定されていた。
「あはは、ほめてくれよ、だんなぁ。これであたいたち死ぬまで一緒にいられるんだよぉ」
けたけた笑うりん。その目は虚ろで焦点があってはいなかった。
「うれしいよぉ、うれしいよぉ。もうだんなわあたいのもんさ。これからず〜っと二人っきりなんだ」
『ずっと』という言葉を強調するりん。
「アハハハハハハハハハハハハハハ」

僕はただこの光景が夢であることを願うことしかできなかった。