〜同時刻、オババの家にて〜

「あの二人上手くいっているかのぉ・・・」
オババはそう呟くとゆっくりとお茶を啜り廊下から夜空を眺めた。
今日の空は昼になり雲がいくつか出てきてたが今の夜空には雲ひとつなく、
満点の星空に浮かぶ見事な満月が浮かんでいた。
こんなに美しい夜空はあまり見られないだろうというぐらい、本当に美しい本に出てくるようにきれいな景色だった。
そんな今日の空模様、まるで二人の様子を反映しているかのようだった。
「まああの二人のことじゃ。上手くやってるじゃろう」
そんな空模様を見てオババは何かを悟ったように呟いた。
「さて、もう寝るとするかな」
そういうとオババは湯飲み茶碗を片付け布団へと向かっていった。


〜戻ってすずと行人の住む家〜

僕たちは布団の上で向き合っていた。
「すず・・・」
「行人・・・」
単に名前を呼び合うだけだけどそれだけでも今の僕たちには十分に甘美な響きだった。
僕たちは今から本番というところで、最高潮に期待が高まっていた。
薬のお陰か、今の僕たちに不安というものは無い。今からやってくるであろう快感を予想し、思わず身震いした。
そして、来るべくしてその時は来た。正確に言えば来させたといったほうが正しいのだろうか。
「・・・すず、一緒になろう」
「・・・うん」
告白の時はすずの方から言わせてしまい後悔に似た感を覚えたのでこんどはこっちから誘った。
すずも来ると分かっていたらしく迷うことなく答えてくれたのでそれまであったもやもやしたものが全部吹っ切れた。
「じゃあ、しようか」
「そうだね」
そういってすずは服を脱ぎだす。脱ぐといってもそんなに何枚も着ているわけじゃないのですぐに脱ぎ終えてしまう。
薬のせいか、すずが脱ぐのを見ても鼻血は出なかった。そのかわりアソコが興奮して大きくなっているのが分かった。
あんまり脱ぐところばっかり見ているのもちょっとあれなので僕もさっさと脱ぐことにした。
そして僕たちは生まれたままの姿になり、先ほどと同じように布団の上で向き合う。
目の前にはすずが裸で体中真っ赤にしてこっちを見ている。
そういう僕だって真っ赤だ。
もし薬無しでこの先こういう関係になったとしても恥ずかしくてこんなこと僕たちにはできないだろう。こうやって
赤くなりながらも向き合えるのは薬のお陰だろう。
そんなことを考えていると痺れを切らしたのかすずが言った。
「ねえ、はやくしようよ」
「え・・・あ、ごめん」
「このままいるのも結構恥ずかしいんだからね?」
「うん、わかった」
そういうと僕はすずのほうに近づいていった。するとすずがちょっと困ったように言う。
「ねえ行人」

「ん?何?」
「するのはいいんだけど・・・どうやってするの?」
「ごめん、僕も本当は良く分からないんだ」
これは本当だ。
僕が日本にいた時僕の家は今頃珍しいぐらい封建的だったのでそういう本は無論、そういう知識を得る場さえなかった。
知っていることといえば学校で友達から聞いたことぐらいだった。
それもそれほど多くはなく、あまり良く聞いてもいなかったので表面の触りの部分ぐらいしか知らない。
「じゃあどうすればいいのかな」
「分からないけど・・・とりあえず抱き合ってみればまた何か分かるんじゃない?」
分からないとは情け無いけど分からないとも言えないので取り敢えず適当に言ってみた。
もしかしたら本当に何か分かるかもしれないし。
「んっ・・・こうかな・・・?」
そういってすずは僕に体を密着させる。
「うわぁ」
「ひゃぁ」
今まで感じたことの無い奇妙な感触に僕たちは思わず声を上げた。
全身でくっついている。さっき抱き合ったときは服を着ていたけど、
そのときの感触とは全然違う感触に包まれて蕩けそうになってしまう。
すずと触れ合っているところを中心に体中が更に火照っててきて、
心臓はもうバクバクいってきて、何だか変な気持ちになってくる。
最初は軽く触れ合うだけだったけど、だんだんその感触が好きになってきて
僕たちはお互いにもっと体を抱き寄せるようにしてその感触を十分に味わう。
そうやっているうちに僕は自分のアソコがどんどんと大きくなっていくのを感じた。
恥ずかしくなったけど全身から来るこの感触には勝てずにそのまま更にすずを強く抱きしめる。
僕たちはしばらくこの感触に蕩けていた。しかし薬の作用のせいか僕の体はこれ以上のものを求めているのが分かった。
そしてこうやって実際に抱きしめたり行動を起こすことにより本能がこの先どうすれば良いかを教えてくれるような気がした。
「うにゃぁ・・・行人・・・うごい・・・て」
抱き合ったまますずからのいきなりの要求だった。すずも僕と同じで本能に通じるものを感じたのだろう。
「動いてって・・・このまま?」
「うん、このまま・・・もっと気持ちよくなる気が・・・する」
「分かった、ちょっと動いてみる・・・」
そういってそのまま上下に動いてみた。
すると抱き合ってるだけのときとは比べ物にならない気持ちよさが僕を襲った。これが欲に言う「快感」なのだろうと思う。
動いているうちにあまり多くのことを考えられなくなり、
ただひたすら「快感」だけを求めるようになり言葉通り「快感」に全てを支配されていった。

「ふ・・ぅ・・・うぁ・・・ん・・・」
「んんっ・・・・・・う・・・にゃ・・・」
「す・・・ず・・・僕・・・何だか・・・変に・・・」
「・・・う・・・私も・・・いく・・・と・・・」
僕のモノがむずむずしてきて、一瞬不思議な感じを味わった後
「うっ・・・うぁぁぁ・・・・」
「んっ!んにゃぁぁぁぁ・・・」
僕たちは全身が痙攣して僕のモノからは白濁液が、すずからも透明な水みたいなものが勢いよく飛び出た。
「う・・・ううう・・・」
「はぁぁぁぁ・・・・・・」
僕たちは抱き合いながら情けない声を出して襲い来る快感の波になすがままにされていた。
出したばかりで息は上がってこそいたもののまだまだむずむずとした感じは収まらず、むしろそれは増大していた。
僕たちから出た布団の上で液が混ざり合い、もわもわとした匂いが立ち込め、
僕とすずはその匂いで完全に自制心を失い、本能に忠実な快感を求める獣と化した。
そして僕たちは本能に導かれるままに動いた。
もう恥ずかしいとかいう気持ちはなくなっていた。
ただただ目の前にいる僕の好きなすずという女の子を愛したいという気持ちで一杯だった。
「すず・・・いい?」
「うん・・・きて・・・」
了承の返事を聞いて、僕はすずのなかにゆっくりと僕のモノを挿れていった。
「うっ・・・はぁ・・・あぁっ・・・・・・んんっ」
「ぐ・・・・・・う・・・」
挿れた途端物凄い快感が僕を襲った。僕のモノはすずの中でも更に大きく硬くなっていく。
「うにゃぁぁぁ・・・・・・んんっ・・・ふぇ・・・?」
「うぁ・・・あ・・・ぁれ?」
僕のモノが半分ぐらい入ったところで何か柔らかい物にぶつかった。
僕もすずもこれで全部?と思って恍惚とした表情のまま顔を見合わせる。
だが僕の本能はその後に続きがあるのを知っていた。すずの本能も自分にもっと奥があるのを知っていた。
そして僕はその本能に押されて更に奥に進み、すずもそれを受け止めた。

ぶつっという音がして僕のモノはすずの更に奥に進んでいった。
音がした瞬間すずはとても痛そうな顔をしていたけど僕が大丈夫と聞くと大丈夫と言ってくれたので進んでいった。
そのうちに接合部から血がでてきたけど挿れる事により快感をまた与えられ
本能が表に出た僕たちはそれが異常でないことを分かっていた。
そしてしばらくしてやっと僕のモノがすずの一番奥へと入った。正直この時点で僕のモノは限界に近かった。
それでもどうにか耐えて、上がった息が戻らないうちにすずに聞いた。
「すず・・・動いても・・・いい?」
「うん・・・いいよ」
僕はその声を聞くと本能が囁くままに僕のモノを動かしていった。
「ふぅぅぅ・・・・うぅんっ・・・」
「くっ・・・うぁっ・・・」
僕もすずも初めてだからか薬のせいだからか分からないけど限界がすでに訪れていた。
「すずっ・・・もう・・・もう・・・僕」
「私も・・・はぁぁん・・・いくとぉ・・・んっ!」
「はぁ・・・はぁ・・・うぐぅ!!」
「あぁ・・・ふにゃぁ・・・んぁ・・・んんんっっっ!!!」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
一瞬ビクッとなった後、僕たちの頭の中はホワイトアウトしていって僕の中を何かが突き抜けるような感触と共に
僕のモノから先ほど出たものと同じものが、先ほどとは比べ物にならないぐらい大量に出た。
そしてそのあまりの快感にそれらと一緒に僕とすずにわずかに残っていた自制心、
理性といった類のものが全部放出され消えていった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「はぁっ・・・はぁ・・・」
しばらくして息も落ち着き、回復した僕たちだったけども
その目は本能の快感に目覚め本能の成すがままにされ快楽に溺れた目だった・・・

「すず・・・もう一度、しようよ」
「うん、もっと・・・いいの・・・しよう・・・」

僕たちの記憶はこの後は残っていなかった。


―その日、すずと行人が住む家では夜空に浮かぶ美しい星空が太陽が照りつける青空に交代するまで愛し合う声が止まなかったという―

「ん・・・」
「んん・・・」
「朝か・・・」
「朝だね・・・」

朝になって起きると裸で同じ布団で寝ていた僕たちの周りはあの独特のにおいで囲まれていて、
布団を通り越して床にまで僕たちが愛し合った証が溢れていたのを見ると昨晩は相当激しい事をしたのだと容易に想像がついた。
「はっ・・・」
「あっ・・・」
すずと目が合う。と同時に昨日の夜のことを思い出してお互い赤面してしまう。
「すず、昨日はゴメンね、いろいろと大変だったでしょ?」
「行人・・・覚えてないの?」
「ゴメン、1回目の終わりの後は覚えてない・・・」
「なんだ、それなら私も大丈夫だよ」
「えっ?」
「私も1回目の後は記憶に無いから・・・」
「そうなの?」
「うん」
「何だか僕たち似たもの同士だね」
「ん・・・そうだね」

そう言って微笑み合うと僕たちは軽く1回キスをして起き上がった。
「よーし、今日もがんばろう!」
「おー!」

昨日よりも今日はもっと楽しくなるだろう。
昨日はみんなと会わなかったから今日はみんなに会いに行こう。
そんなことを思いながら、二人は楽しいくなるであろう今日の始まりを迎えるのだった。
空は今日も雲ひとつ無い晴天だった。それはこれからの生活が楽しくなることを示しているかのようだった。


※おまけ※

「がんばろうとは言ってみたものの・・・」
「これ・・・どうしよう」
立ち上がってみると僕たちの周りには昨日の情事で残した跡が広がっていた。
「取り敢えず床は拭いておこうか・・・」
「そう・・・だね・・・」
「布団は・・・うわぁ、この染み・・・」
「洗うの大変そうだね・・・」
「「はぁー」」
「今度から場所考えよう」
「そうだね」
初めてだった二人はその後の後掃除に結構手間取ったそうな
「これでだれかきたらどうしよう」
「どうしようも・・・ないよね」
「ぷー」
「「あ」」
「ぷー」
「しまった・・・」
「ま、まぁとんかつなら・・・大丈夫・・・じゃない?」
「そ、そうだな、大丈夫だよな!」
「ぷー」
「「・・・」」
「大丈夫・・・だよな」
「多分・・・大丈夫」

結局大丈夫ではなかったのだがそれは別のお話