「遅い…」
行人は木刀を肩に担ぎ、苛ついてるのか眉間をぴくぴくさせていた。
その側ではびふてきが困った様子でうろうろしている。
太陽は高く昇り、一人の男と一匹の牛はその日差しを全身に浴びている。
すると一人の女子、しのぶが二人の前に姿を現した。
「おお、着いたでござる!師匠、おはようご…」
「おはようじゃない」
しのぶが朝の挨拶をしようと頭を下げると、行人はすかさずその頭にチョップを喰らわせた。
「あたっ!」
「まったく、もうお昼だよ…途中でびふてきと逸れたみたいだね…」
「うむ、ちょっと目を離した隙にびふてきが消えていたのでござるよ」
しのぶが元気いっぱいにそう言うと行人はため息をつく。
びふてきもそんな様子のしのぶに呆れたのか目を細めた。
「さぁ、師匠!朝の素振りをするでござる!」
「あのね!だからもうお昼なの!」
「ではお昼の素振りでござる!」
しのぶは木刀を掲げてまた元気いっぱいに言うと、行人は再びため息をつく。
そんな行人にびふてきがとてとてと近寄ってきた。
「も」
「ああ、びふてきは悪くないよ…」
行人はそう言ってびふてきの頭を撫でると、それにしのぶが反応する。
「師匠!びふてきだけずるいでござる!拙者も…」
「ダメ。と言うか今日は素振りの後のなでなでもなし」
「ええええええええっ!?何故でござるか!?」
しのぶはとても悲しそうな表情で行人に詰め寄ってきた。
「もちろん遅刻したから。あと今日は待ったけど次こんな遅刻をしたら素振りもなし」
「そ、そんな…」
しのぶはがっくりと頭を下げて落ち込んでしまった。

「ほら、素振り始めるよ」
「うう…」
「はぁ、その驚異的な方向オンチを直してもらえると助かるんだけどなぁ…」
行人のその言葉を聞いた瞬間、しのぶの頭の中である考えが浮かんだ。
(方向オンチを直すと師匠は助かる…助かると言う事は直せば嬉しいと言う事…嬉しい事をすれば師匠は褒めてくれる…)
そしてしのぶはある結果を出す。
(方向オンチを直せば師匠になでなでしてもらえる!)
しのぶはそう考えると目を輝かせて笑顔になった。
しのぶの表情の急な変化に行人もびふてきも呆気にとられていた。
「し、しのぶ?」
「師匠、拙者はほうこ…」
しのぶは何か言おうとしたが、そこでさらにある考えが浮かぶ。
(ここで言うより内緒にしておいて師匠をびっくりさせるでござる)
「あ、いえ!何でもないでござる!」
「そ、そうなの?」
「うむ!さぁ、素振りをするでござる〜!」
しのぶはそう言って素振りをし始めた。
行人とびふてきはそんな様子のしのぶをただじっと見ていた。

その夜、しのぶは家で自分の計画をびふてきに話していた。
「…と言うわけでござる。だからびふてきは留守番をしていて欲しいでござる」
「も…」
「ふふ、心配はないでござるよ。拙者もバカではない…」
しのぶはそう言うと手に一本の棒を持った。
「今日の帰り道、この棒で道に線を書きながら帰ったのでござる。明日はその線を辿って行けば良いのでござる」
しのぶは得意気に胸を張りながらびふてきに言った。
「ふふふ、師匠、きっとびっくりするでござる…そして…」

「師匠!おはようでござる!」
「あれー?しのぶ、びふてきはー?」
「今日は一人で来たのでござる!」
「えー?一人でー?」
「うむ!一人で迷わずにここまでちゃんと来たのでござる!」
「わー、何だってー?それはすごい。じゃあご褒美になでなでしてあげよう」
「わーい♪」

「きっとこんな展開に…ふふふ、明日が楽しみでござる…」
「も…」
にやけるしのぶを呆れた様子で見ていたびふてきは布団の上に寝転がった。

翌日、しのぶは目を覚ますとすぐに袴に着替え、木刀を持った。
「それでは行ってくるでござる!」
「も」
しのぶはびふてきに挨拶をすると玄関の戸を開けて一歩踏み出した。
するとしのぶは目の前に水溜りがいくつかあるのを発見した。
「む、昨晩雨が降ったのか…そう言えば雨音も結構聞こえていたような…」
しのぶは少し歩いていくとある事に気がついた。
「あれ?線が…昨日確かに…はっ!まさか昨晩の雨で!?」
しのぶはそれに気がつくと、しばらくその場に立ち尽くしていたがすぐに歩き出した。
「こ、こうなったら自力で行くでござる!確かお天道様は東から…ああ!曇っていて分からないでござる!」
結局その日、しのぶは遅刻した。

その日の夕方、迎えに来てくれたびふてきのおかげで無事に家に帰ったしのぶは新たな策を考えていた。
「う〜む、道に線を書くのはダメでござったか…む、そうだ!なら…びふてき!一緒に来て欲しいでござる」
「も?」
しのぶは何枚かの布きれを掴むとびふてきを連れて外に出た。

「ふふふ、地面がダメなら木に印をつけるでござる。この布を枝につけて…」
しのぶは手に持っていた布きれの一枚を木の枝に結びつけた。
「よし!これなら雨が降っても大丈夫でござる!」
「もー」
「さぁ、残りの目印をつけに行くでござる!びふてき、道案内を頼むでござる!」
「も」
びふてきが歩き出すとしのぶもそれの後に続いた。

翌日、しのぶは目を覚ますとすぐに袴に着替え、木刀を腰に差した。
「それでは行ってくるでござる!」
「もー」
しのぶはびふてきに挨拶すると玄関の戸を開けて、すぐに歩き出した。
「さて、目印目印っと…む?目印目印…あれ?目印が…ないでござる」
しのぶがいくら探しても枝に布が結び付けられている木は見当たらなかった。
「ない…ない…ない…ないでござる〜!」
しのぶが探している間にも時間は刻一刻と過ぎていく。
「ぐ、こうなったら…え、え〜っと、お天道様は確か…え〜っと…」
結局慌てている内に迷子になり、しのぶはその日も遅刻した。

ちなみにその日の昼頃、あやねはまちの部屋を訪れた。
「お姉様!」
「あら、あやね」
「あら、じゃないわよ!また掃除に私の袴を…って何?その布きれ?」
あやねはまちの隣に座ると、布きれの一枚を手に取った。
「これは昨日の夜、しゅぎょ…じゃなくて散歩をしていたら木に結び付けられていたの。色が好みだったから持って帰ってきたのよ」
「ふ〜ん…ってそんな事聞いてる場合じゃなかったわ…お姉様!私の袴をまた箒の代わりに使ったわね!」
「大丈夫よ、後で洗濯するから。任せて」
「お姉様が洗濯すると汚れが落ちても梅干並にしわだらけになるのよ!」

しのぶはその日の帰り道、くないで木に矢印を刻みながら歩いていた。
側には迎えに来てくれたびふてきもいる。
「こ、これならきっと大丈夫でござる…こ、今度こそ…」
「も…」
「次はあっちでござる」
しのぶとびふてきが去っていた直後、とげ太といた一がやってきた。
(ふぅ、ここらへんの木にするか…けど木材が足りなくなってるとは…)
(最近結構忙しかったからね)
(んじゃ、日が落ちない内に終わらせるか)
そう言うといた一ととげ太は木に刻まれた矢印に気づかないまま作業をし始めた。

翌日、しのぶは起きるのと同時に袴に着替え、木刀を持つとすぐに玄関に向かった。
「それでは行ってくるでござる!」
「も〜」
しのぶはびふてきに挨拶をすると玄関から飛び出していった。
「今度は…うむ!ちゃんとあるでござるな!」
しのぶは昨日つけた矢印を見つけると、それの指す方向に進んでいく。
「よし!次は…あ、あれ?」
順調に進んでいたしのぶだったが、ある場所で足を止めた。
「木が…ないでござる…」
しのぶの言う通り昨日まであったはずの木々がなくなっており、無論矢印をつけた木もなくなっていた。
「そ、そんな…ど、どこにいったでござるか!?…こ、このままではまた…」
しのぶが悩んでいる内に日はどんどん昇り始める。
「ぐぅぅ…仕方ない。こ、こうなれば勘で行くでござる!」
日が東から昇る事も忘れ、しのぶは勘ですずの家に向かった。
そしてしのぶはその日も遅刻した。
その後、しのぶはいろんな方法を試したが全て上手くいかずに失敗を続けた。

「うう〜、また失敗したでござる…」
「も…」
がっくり頭を下げているしのぶにびふてきが駆け寄ってきた。
「もも」
「む、まだやめないでござるよ!絶対に師匠に…あ、そうでござる!」
しのぶは立ち上がると、いくつかの荷物を持ってびふてきの方を向いた。
「びふてき、師匠の家に行くでござるよ!」
「も?」

「さて、では早速…」
しのぶはすずの家の裏手に行くと、持ってきた荷物で何かをし始めた。
「もも?」
「む、これでござるか?これは狼煙をあげるために必要な物でござるよ」
「もー」
「うむ、これを明日の朝にあがるようにしておくのでござる!」
そう言ってしのぶは明日の朝に狼煙を上げる装置の準備を続けていく。
「あとはこうして…よし!これでいいでござる!これで明日の朝に自動的に狼煙があがるでござる!」
しのぶは額の汗を拭うと立ち上がった。
「この特殊な狼煙なら雨でも大丈夫でござる…ふふふ、今度こそ…」

翌朝、行人は木刀を持って外に出ていた。
「ふわぁ…今日はちゃんと来るのか?しのぶは…」
行人は目を擦りながら家の方に体を向けると、何やら家の裏手の方で煙が上がってるのが見えた。
「え、何だ?」
行人が裏手の方に回ると何やら煙を発している箱のような物が見えた。
「な、何だ?これ…」
行人がそれを手に取ると、その箱はカッと光った。
「へ?」

一方、しのぶはすでにすずの家の近くまで来ていた。
「うむ、やはり狼煙が一番でござるな!師匠、拙者が一人でちゃんと来た事を知れば驚くでござろうな〜」
しのぶはそれを想像すると頬を緩ませる。
「よし!急ぐでござる!」
しのぶがそう言って走り出した瞬間、すずの家の方で何かが爆発したような音が響いた。
「ひゃっ!?な、何でござるか?」
しのぶはすずの家に着くと、寝間着のままのすずととんかつが外に飛び出していた。
「す、すず殿にとんかつ殿?どうしたのでござるか?」
「あ、しのぶちゃん…な、何か大きな音がして…それでびっくりして…」
「ぷー…」
すずととんかつがそんな事を話していると、微妙に焦げながらアフロになった行人が裏手から出てきた。
「あ、師匠…って一体どうしたのでござるか!?」
「い、行人?」
「ぷぷぷ」
「…何か裏手の方に変な煙を出す箱があって…それが何か爆発して…」
「箱?」
「煙を出す箱って…あ、もしかして火薬の配分を…」
すずが首を傾げている横で気まずそうにしているしのぶを見ると、行人はしのぶの方を向いた。
「ねぇ、しのぶ、何か心当たりがあるの?」
「え?あ、いや…」
「もしかして…これやったの、しのぶなの?」
「う、あ……は、はいでござる…」
しのぶが小声で答えると行人は黙って立っていたが、しばらくして家の方に歩き出した。
「すず、朝ご飯の用意しよ」
「え、あの、師匠…」
しのぶが行人の方に手を伸ばすと、行人はしのぶに冷たい視線を向ける。
「しのぶ、もう師匠って呼ばなくていいよ。それと無理して来なくていいから」
「え、な…」

「最近遅刻ばっかりだし、あんないたずらまでしてさ…真面目にやる気がないんでしょ?」
「そ、そんな事は…」
「それじゃ」
行人はそれだけを言うと、家に入っていった。
「あ、行人…」
「ぷ…」
すずととんかつは困ったように行人としのぶを交互に見ていると、やがて行人を追うように家に入っていった。
残されたしのぶは呆然とその場に立ち尽くしていたが、しばらくすると静かに顔を伏せた。
「破門…されてしまったでござるな…」
しのぶはそう言って自分の家に向かって歩き始めた。

十数分後、しのぶは自分の家の前まで来ていた。
「…はは、こんな時だけ…迷わずに帰ってこれるなんて…」
しのぶは自嘲気味に笑いながら家に入った。
びふてきはしのぶが入ってきたのに気がつくとしのぶに駆け寄っていく。
「もも」
「あ、びふてき…」
「も?」
「ははは、拙者、破門されてしまったでござるよ…」
「も!?」
しのぶはそのままびふてきの横を通り、布団に寝転がり枕に顔を埋めた。
「うっ…ひっ…くっ…ふっ、うぅぅっ…」
「も…」
枕に顔を埋めたしのぶの様子をびふてきは心配そうに見つめていた。

その日の夜、夕食を食べ終えた行人は縁側に座り、月を見上げていた。
行人の髪は何故か元通りになっており、行人は静かにため息を吐いた。
そんな行人の隣にとんかつを抱えたすずがやってきた。
「…しのぶちゃんの事気になるの?」

すずに聞かれると行人は気まずそうに顔を下げた。
「ねぇ、行人…」
「…………」
行人は黙り込んだまま下を向いてると、何やらとてとてと小さい足音が聞こえてきた。
行人とすずがその足音の方を向くと、びふてきが歩いてきた。
「びふてき…」
「も…」
びふてきは身振り手振りで行人とすずにしのぶのやろうとしていた事を伝える。
「方向オンチを直そうとしていた?何でまた…」
「も、ももも、もももももも」
「え?僕に褒められたくて?」
行人がそう言うとびふてきは首を縦に振った。
「でも、朝のあの爆弾は…」
「ももも、ももももも」
「行人、あれは狼煙だって…きっと火薬の量を間違えたかなんかしたんだよ」
「……………」
「もももも」
びふてきは行人にぺこぺこと頭を下げ続ける。
「しのぶちゃんを許して欲しいって…ねぇ、行人、私からもお願いできないかな?
 しのぶちゃんは悪ふざけでああいう事しないと思うから…」
「ぷー…」
すずととんかつに言われると行人は立ち上がった。
「…ちょっと、しのぶの家に行ってくる」
そう言うと行人は走り出した。
残されたすずと二匹はその背中を黙って見送った。

しのぶはまだ枕に顔を埋めてそれを濡らしていた。
すると玄関から戸を叩く音と声が聞こえてきた。
「しのぶ、いる?」
「っ!?」

しのぶは枕から顔を離して玄関の方に顔を向けた。
「ししょ…い、行人殿?」
「…ごめん、入るよ」
そう言うと行人は戸を開けて家の中に入ってきた。
「しのぶ、その…」
「…せ、拙者、実家に帰るでござるよ」
「え?」
「こ、ここに住む理由もなくなったでござるし…だから…実家、に…」
しのぶは話し続ける内にまた目からポロポロと涙をこぼし始めた。
「うっ、くっ…ご、ごめんなさいっ…行人…殿…」
しのぶは嗚咽しながら顔を伏せると、両手で止まらない涙を拭い始める。
その様子を見ていた行人はしのぶに近づくと、彼女の頭をなで始めた。
しのぶは涙を拭うのをやめて顔を上げて行人の方を向く。
「っ…うっ…行人…殿?」
「ごめん、しのぶ。朝はその…かっとなって言い過ぎて…」
行人はしのぶの頭を優しく撫で続けながら言葉を続けた。
「びふてきに聞いたよ。僕に褒められたくて方向オンチを直そうとしていたんだって?」
しのぶは泣きながら目を伏せるとゆっくり頷いた。
「そっか…ごめんね、真面目にやる気がないんでしょなんて言って…」
「行人、殿…」
「師匠で…いいよ」
「ふぇ?」
「えっと…その…し、しのぶさえ良ければ…は、破門はと、取り消したいんだけど…」
行人は少し照れくさそうに顔を背けてしのぶにそう言った。
しのぶはそれを聞くとしばらく呆然としていたが、目にいっぱい涙を浮かべて行人に抱きついた。
「ひっ…くっ…し、しょう…師匠…師匠!」
胸に顔を埋めてくるしのぶの頭を行人はまた優しくなで始めた。

しばらくそんな状態でいると、行人は頭を撫でるのをやめてしのぶの肩を掴んだ。
「しのぶ、僕そろそろ帰らないとすずが…」
行人がそう言うとしのぶはより強く抱きついてきて首を横に振った。
「し、しのぶ?」
行人が呼びかけるとしのぶは顔を上げて潤んだ瞳で行人を見つめてきた。
「今日は…師匠と一緒にいたいでござる…」
しのぶはそう言うと行人に顔を近づけてきた。
「しの、ん…」
しのぶはそのまま行人の唇と自分の唇を重ね、行人の口内に舌を入れてくる。
「んむ…ん…」
しのぶは積極的に行人と舌を絡ませ、そのままぐいっと行人を自分の方に引っ張り仰向けに倒れる。
すると行人がしのぶに覆いかぶさる形になり、しのぶはそっと唇を行人から離す。
「しのぶ…」
「…師匠…その…拙者…」
しのぶは頬を染めてじっと行人を見つめたまま、また行人と唇を重ね、舌を入れてくる。
「ん、むぅ…んぅ…」
行人はしのぶの舌が自分の舌に絡みついてくる内に理性がもたなくなってきた。
(う…しのぶ…)
行人の右手は自然としのぶの胸を掴み、それを揉み始めた。
「んっ…ふっ、うっ…」
しのぶは胸を揉まれても夢中で行人の舌と自分の舌を絡ませる。
行人はしのぶの服をはだけさせると、直にしのぶの胸に触れる。
行人は手の中に硬い突起物があるのを感じると、それを転がすようにしのぶの胸をまた揉み始める。
「んんっ…むっ…んっ!」
行人がしのぶの乳首をきゅっと摘むと、しのぶはぎゅっと目を瞑る。
行人の左手は次第に下腹部の方に進み、袴をめくって下着の上からしのぶの筋を人差し指でつうっと撫で上げる。
「んんんっ!」
行人はしのぶから口を離すと、じっとしのぶを見つめる。
二人とも顔を赤くし、しのぶの息には熱が篭っている。

「師匠…」
「しのぶのあそこ、もう濡れてるね」
「だ、だって…気持ちええから…」
行人はしのぶの下腹部の方に移動し、両手でしのぶの足を広げさせる。
「し、師匠!?」
行人は左手で太股を撫でながらもう一度しのぶの筋をつうっと右手の人差し指でなぞっていく。
「んぁぁっ!」
しのぶが嬌声をあげると同時に彼女の下着の染みは広がる。
行人はそれを確認すると、しのぶの下着に手をかけ、それを脱がす。
「しのぶ、もっと気持ちよくしてあげるよ」
そう言うと行人はしのぶの足をさらに広げ、彼女のクリトリスを甘噛みし、舌でそれをつつき始めた。
「ひぁっ!?ししょ、ふぁぁっ!」
しのぶは行人にクリトリスをつつかれる度に、身を悶えさせ、嬌声をあげる。
すると行人は今度はクリトリスに吸い付き、それをまたつつく。
「ひぅぅっ!あ、あかんっ…ししょ…もうっ!はぁぁぁぁぁぁっ!」
しのぶは一瞬体を大きく仰け反らせた後、そのまま脱力し、荒い息遣いで行人の方に視線を向けようとする。
しかし行人はそれに構わず舌を今度はしのぶの中に入れ、中をかき混ぜるようにして舐めていく。
「ひゃっ!し、ししょぉっ!?」
行人はしのぶの足を両手で押さえて、しのぶの中を舐め続ける。
「んっ、はっ…んんっ!」
しのぶが目をぎゅっと瞑って刺激に耐える中、行人は今度は溢れてくる愛液を音をたてて吸い始める。
「ふぁっ!?ししょぉ、そんな、んぁぁっ!」
しのぶは行人の頭を両手で押さえるが、その手にはまったく力が入らず、
行人はまた吸うのをやめるとまた舌でしのぶの中を舐めていく。
「はっ、あっ…くっ、うぅっ…」
行人は膣口から筋に沿って舌を動かし、再びクリトリスに吸いついた。
そして膣口には右手の人差し指と中指を入れ、2本の指を別々に動かしてしのぶの中をかき混ぜる。
「ひぁぁっ!んっ、あかんっ、また…ふぁぁぁぁぁぁっ!」
しのぶは2度目の絶頂を迎えると、その瞳からは涙がこぼれる。
行人はズボンと下着を脱ぐと、自身をしのぶの膣口に当てる。
「しのぶ、行くよ」

「はっ、あっ…待っ…て…」
行人はしのぶの言葉を無視し、そのまま一気にしのぶの奥を突く。
「ひぁぁぁぁぁぁっ!」
しのぶは大きく体を仰け反らせるが、行人は激しく腰を動かしてしのぶの奥を何度も突く。
「あ、あかん!う、うちっ…おかしく、ひぅっ!おかしくなって、はぁぁっ!」
しのぶの口からは涎が垂れ、行人と繋がっている所からはグチュグチュと卑猥な音が響く。
すると行人はしのぶの体をぐいっと引き寄せ、しのぶと唇を重ねる。
「むぅっ!?むぐぅっ!んっ!んんーーーーーーーーーーっ!」
しのぶはまた絶頂を迎え、行人のものをきゅうっと締め付ける。
それにより行人も限界に達し、しのぶの中を精液で満たす。
行人はしのぶから唇を離し、彼女の頬をなでる。
「しのぶ、気持ち良かった?」
「はっ、あっ…師匠のいじわる…」
「遅刻の罰だよ。一応遅刻は遅刻だから…」
「師匠の…いじわる…うっ、いじわる…」
「えっ?あの…」
「うっ、くっ、うう〜っ…」
しのぶは両手で目を覆うと、同時に泣き出してしまった。
「ちょ、しのぶ…あ〜…ご、ごめん、しのぶ、その…」
行人が困ったように頬をかいていると、しのぶの口元に笑みが浮かび、彼女は手を素早く動かして行人に抱きついた。
「え?わわぁっ!?」
行人はいきなり抱きつかれ、布団の上に倒れた。
「ふふふ、隙ありでござる〜」
「なっ、し、しのぶ…」
「師匠…ありがとうでござる…」
「え?しのぶ、今なんて…」
行人が聞こうとすると、しのぶは行人の胸に顔を埋めたまま、静かに寝息をたてていた。
行人はしのぶが寝ている事に気づくと、そっと手を彼女の頭の上に乗せて、目を瞑った。
しばらくすると寝息は二つになり、夜は深けていく。
「む…う…師匠…大好きでござる…ん…」

翌朝、行人としのぶはすずの家に戻ってきた。
「さぁ、師匠!朝の素振りをするでござる!」
「ああ、いや、その前にすずにちょっと用が…」
「すず殿に?」
「うん、結局昨日は帰らなかったし、一言謝らないと…」
行人がそんな事を言っていると、すずが家から顔を出した。
「あ、行人、おかえり。しのぶちゃんと仲直りできた?」
「え?あ、うん。その、すず、昨日は帰らなくてごめん…」
「別にいいよ。しのぶちゃんと仲直りしたなら」
「師匠〜!早く素振りを〜!」
しのぶが木刀をぶんぶん振り回して行人を呼ぶ様子を見ると、すずはくすっと笑った。
「ほら、行人、師匠なんだから早く行かないと」
「う、うん。ありがとう、すず」
しのぶの方に駆けてく行人の背中を見ながらすずはため息を吐いた。
「ちょっと…しのぶちゃんが羨ましいかも…」
行人がやってくるとしのぶは目を輝かせて木刀を構える。
「よ〜し!頑張るでござるよ〜!」
「あまりはりきりすぎないでね。木刀すっぽ抜けたりしたら危ないから」
「御意でござる!」
行人も素振りをしようと木刀を構えると、びふてきが行人の足を叩いた。
「ん?びふてき?」
「も…もも…も」
「え…」
「師匠、どうしたでござるか?」
「え?ああ、いや、何でもないよ!さぁ、素振りをやろう!」
そう言って行人が木刀を振りかぶると、木刀は手からすっぽ抜けた。
「師匠、何かあったのでござるか?」
「い、いや何でも!」
びふてきは昨日、一度様子を見にしのぶの家に帰ったが、あるものを見るとびふてきはすずの家に泊まる事にした。
びふてきが見たもの、それは行人とびふてきしか知らない。