ある日の事、仕事が休みだったりんはある物を台所で作っていた。
「こんなもんかな…ちっと味見してみっか」
りんはお玉でそのある物を掬って少しだけ小皿に取り、味見してみる。
「…うん、悪くねぇな…ダンナ、喜んでくれるかな?」
りんは頭の中に自分が作った物を食べる行人の顔を思い浮かべた。
「へへへ…っと、ボーっとしてる場合じゃないか。約束の時間に遅れちまう」
りんは重箱を取り出すと、既に炊き上がったご飯をその中に入れる。
そして一通り入れた後、りんが先ほど作っていた物、カレーをご飯にかけた。
重箱に蓋をかぶせて風呂敷でそれを包み、りんはそれを持つと外に出た。
(みことは朝から実家に帰ってるし、今日こそはダンナとの関係を…)
「…よし、行くか!」
りんは気合を入れると、ある場所に向かって歩き出した。

一方、みことはげっそりした表情で草むらを歩いていた。
「はぁ…おかん、赤飯炊くなんて何考えとんねん…」
みことは心底疲れたといった様子で大きなため息を吐いた。
その日、こころに呼ばれたみことは実家に帰っていた。
くないもしのぶも呼ばれていたらしく、二人も実家に帰っていた。
そして姉妹全員が揃うと、こころは赤飯を用意して三人を出迎えた。
情報源は不明だが、三姉妹全員が行人とした事を知ったこころは現状を聞くために三人を呼び出したのだ。
無論、現状とは妊娠したかどうか、と言う事である。
結果は全員まだ妊娠しておらず、それを知ったこころは「妊娠するまで行人殿とやりまくれ」と三姉妹に言っていた。
ちなみに子作りの事を知ったしのぶは「あれが子作りとは…子作りとは良いものでござるなぁ」とか言っていた。
「ったく…冗談やないで…大体うちは別に…」
みことは頬を染めると、誰もいないのに恥ずかしそうに頭をかいた。
「ぐ、うぅぅぅ…あー!こういう時は姉ぇ様の所に行くのが一番や!」
みことはそう言って歩き出すと、少し離れた場所を歩いているりんを見つけた。
「あれは、姉ぇ様!うちが望んだ時に姿を現すとは…うへへ、うちと姉ぇ様はきっと強い何かで結ばれとるんやな〜」

みことは気配を殺してりんの方に近づいていったが、りんの様子を見ると近づくのをやめた。
(姉ぇ様、えらいご機嫌やな。何か持っとるし……ちょっと後つけてみるか)
みことはりんに見つからないように木の陰に隠れると、りんの尾行を開始した。

村から少し離れたある一本の木の下に、行人は立っていた。
行人はりんに「昼食をご馳走したいからここに一人で来て欲しい」と言われてそこにいた。
「そろそろ約束の時間か…」
行人は空を見上げながらそんな事を口にした。
「お〜い、ダンナ〜!」
「ん?」
行人が声のする方に振り向くと、りんが行人の所までやってきた。
「あの…待たせちまったかな?」
「ううん、そんな事ないよ」
行人がそう言うのと同時に、彼の腹から小さくぐぅ〜と言う音がした。
「あ…あ、あはは、それより早くりんの料理が食べたいな」
「そ、そうだな!腕によりをかけて作ったから期待してくれよ!」
りんはそう言うと持っていた風呂敷から重箱を取り出し、地面に座った。
行人も地面に座ると、りんは重箱の蓋を開けた。
「これって…カレー?」
「その、ちかげからダンナはこれが好きだって聞いたからさ。
 ぱな子さんから作り方教えて貰った後、材料をもらって作ってみたんだ」
行人の鼻にカレーの香ばしい匂いが届く。
(重箱にカレーは予想外だったけど、美味しそうな匂いだなぁ…)
「それじゃあ、早速頂こうかな。スプーンみたいなのってある?」
「すぷーん?…もしかしてこの匙の事か?」
りんはそう言って木製のスプーンを取り出した。
「うん、貸してくれるかな?」
行人はそう言って手を差し出すが、りんは頬を染めると、行人にスプーンを渡さずに重箱を手に取った。
「え、りん?」

(ゆ、勇気を出すんだ…せっかくダンナと二人きりなんだ…もっとダンナと…)
りんは少しの間ぎゅっと目を瞑ると、何かを決心したかのように目を開いた。
そしてりんはゆっくりとスプーンでカレーを掬うと、行人に向かってそれを突き出す。
「ぁ…あぁ…う…あ、あーん!」
りんはまた目をぎゅっと瞑ると、スプーンを行人の口の前まで持ってきた。
いきなりの事で行人は少しだけボケッとしていたが、やがて状況を理解したのか顔を赤くする。
「あ、あの、りん?」
「あ、う…ぁ…ん」
(こ、恋人同士はこういう事をするってちかげから聞いたけど…な、何でこんなに恥ずかしいんだ?)
りんは顔を真っ赤にして顔を伏せたが、スプーンを行人の口の前からは移動させなかった。
行人は行人で顔を赤くしたまま、まだ固まっていた。
(前にしのぶにやってもらったけど…やっぱり慣れない…それに、逆に意識されると恥ずかしい…)
行人がそんな事を考えていると、りんが不安げに行人の方を潤んだ瞳で見つめてきた。
(………覚悟を決めよう)
行人はあーん、と口を大きく開いた。
りんはそれを見ると嬉しそうに行人の口の中にカレーの乗ったスプーンを入れた。
行人がそれを銜えると、りんは行人の口からスプーンを引き抜いた。
「ど、どうかな?ダンナ…一応味見はしたんだけど…」
「んむ……ん?…美味しい…」
「ほ、本当か?」
「うん、すごい美味しいよ!辛さとかも好みだし…」
「そ、そっか…そっかそっか!じゃ、じゃあ!」
りんはそう言うと、スプーンでカレーを一さじ掬い上げてそれを行人の前に持っていった。
「あ、あーん!」
「え?」
「あーん!」
りんは一度やった事で吹っ切れたのか、満面の笑みで行人にカレーの乗ったスプーンを突き出してくる。
行人はそんなりんの様子に戸惑っていた。

(な、何かさっきと様子が全然違うんだけど…)
「ダンナ、あーん!」
「う、あ、あーん…」
行人が口を開くと、りんはすかさず彼にカレーを食べさせる。
それを見ると、りんは幸せそうに口元を緩めた。
すると行人は何やら得体の知れない悪寒に襲われた。
(な、何だ?何かすごい嫌な感じが…)
「どうした?ダンナ」
「ん?あ、いや、何でもないよ」
「そうか?じゃあ…もう一口、あーん♪」
「え、あ、あーん…」
行人が口を開けると、りんはみたび彼にカレーを食べさせた。

そんな二人の様子を草むらから『行人の悪寒の原因』は見ていた。
(ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぅぅぅぅ!!!な、何やっとるんじゃぁぁぁぁぁああああ!!!)
りんを見つけた時の喜びはどこに行ったのか、みことは凄まじい怒りを感じながら行人とりんの様子を見ていた。
その怒りは例えるなら亀裂が入り、そこから水がちょろちょろ出ているダムのようだった。
(ぐぐぐぐぐぐぅぅぅ!うちかてやってもろた事ないのに…行人の奴ぅぅぅ…鼻の下伸ばしてデレデレしおってぇぇぇぇぇぇ!)
みことはこれ以上ないくらいの力で歯を食いしばる。
(お前みたいなんが姉ぇ様にあないな羨ましい事してもらうなんて…一億年早いわぁぁぁぁ!)
二人の様子を見るみことの目は異常に血走っていた。

そんなみことの様子など気にもせず、りんは行人にカレーを食べさせ続けていた。
「ダンナ、あーん」
「あ、あーん、む」
りんはすでに慣れてしまったのか、とても嬉しそうな顔をしてるが、行人の方はあまり変わってなかった。
(ダメだ。前回といい、今回といい、全然慣れないよ…)
「ダンナ、ほら、あーん」

りんはまた行人の目の前にスプーンを持ってくる。
「あ、あのさ、りんは食べないの?」
「へ、あたい?」
「うん、僕ばっかりだと何か悪いし…」
「う〜ん、匙はこれしか…あ…」
りんはそう言った後、急に赤くなって目を伏せた。
「じゃ、じゃあさ…その…ダンナに食べさせて欲しい…」
りんはそう言うとスプーンを行人に渡した。
「え、僕に…って…」
「そ、それを使って、食べさせて欲しいんだ…」
「でも、このスプーンは僕が…」
「そ、それでいいか…ら…お、お願い」
「え?あ、うん…」
行人はそう返事するが、固まったまま動けなかった。
(な、何か余計に恥ずかしい事に…しかもこれ使ったらか、間接…だよね?)
「だ、ダンナ…早く…」
「え、あ、う…あ…あ、ん」
行人はりんの口の中にカレーをスプーンで運んだ。
りんがそれを銜えると、行人はスプーンを引き抜いた。
りんは口の中の物を噛まずに行人をじっと見つめる。
「り、りん?」
「…………」
(ゆ、勇気を出すんだ…せっかくのチャンスなんだ…い、行くぞ…)

(あああああああああああああああっ!!姉ぇ様が!姉ぇ様が汚された!)
みことは全身を震わせて行人がりんにカレーを食べさせる光景を見た。
(間接接吻とは言え…姉ぇ様が…姉ぇ様が…)
みことが動揺している中、りんは更なる行動に出た。

何とりんは行人の肩を掴んだかと思うと行人の唇と自分の唇を重ねた。
「んむ!?」
行人が驚いていると、りんは自分の口の中の物を彼の口に流し込む。
そしてゆっくりとりんは唇を行人から離した。
「や、やっぱりこれはダンナのために作った物だから…その…ダンナが食べないと…」
りんは顔を真っ赤にしてうつむいていたがその表情はとても嬉しそうだった。
(よっしゃぁぁぁあ!だ、ダンナと…つ、ついに…)
行人は突然の事にただ呆然としていた。

そして草むらでも一人、呆然としている少女がいた。
「せっ…ぷん…姉ぇ様が…行人…と…」
そう呟いた瞬間、みことの中で何かが弾けた。
(あぁ、あかんね、これはあかんよ、うん、あかん、実にあかん。とりあえず)
「血祭りじゃぁぁあああああ!!ボケェェェエエ!!!」
みことはそう叫び、行人に向かって飛びかかった。
「な、みこと!?」
「え?みこ…ぶっ!」
みことはその勢いのまま行人の胸倉を掴むと、思い切り彼の顔を殴った。
「何姉ぇ様の唇奪っとんじゃぁあああ!!」
唇を奪ったのはりんだが、そんな事は気にせずみことは行人の胸倉を掴んだまま彼をぶんぶん振り回す。
「ちょ、お、落ち着いて…」
「落ち着けるかぁぁああ!!」
「くっ!みこと!やめろ!」
りんは立ち上がってそう言うが、みことは行人を振り回すのをやめない。
するとみことの足が勢い良く重箱に当たった。
「あっ…」
重箱はひっくり返り、その中に入っていたカレーは地面にぶちまけられた。
りんはそれを見ると、がくっと膝を突き、重箱を広い上げた。

「う、ぐっ…ん、り、りん?」
行人はりんの様子が変わったのに気づき、振り回されながらも彼女の方に顔を向ける。
みこともそれに釣られてりんの方に顔を向けた。
「姉ぇ様?何…あ」
みことがりんの方を向くと、りんは重箱を持ってぶちまけられたカレーを見ていた。
みことはそれを見ると、気まずそうにしながら行人を振り回すのをやめ、彼を放り投げた。
するとりんは静かに口を開いた。
「何でだよ…何でいつも…邪魔すんだよ…あたいは…ダンナと仲良くなりたいだけなのに…」
そう言うりんの声は震え、重箱にポタポタと涙が落ちる。
「う…あ…それは…」
みことは何と言っていいのか分からず、ただ気まずそうに視線を彷徨わせるだけだった。
一方、行人は起き上がって体勢を整えると、重箱からぶちまけられたカレーを見た。
「あ…」
行人がそう声を発するのと同時に、りんは立ち上がってみことを睨みつけた。
その瞳からは大粒の涙が流れていた。
「あ、う、姉ぇさ、ぶっ!」
りんはみことが何か言う前に彼女を殴り飛ばした。
「みこと、これ、ぶっ!」
行人はみことの方を向いた瞬間、りんに殴り飛ばされたみことに巻き込まれた。
そして二人が地面に倒れると、りんは涙を拭って黙って走り去っていった。
「う、ててて…」
行人は体を起こして立ち上がり、ぶちまけられたカレーを確認してからみことの方を向いた。
「みこと、謝りに行こうよ」
行人がそう言っても、みことは上体を起こし、動こうとしなかった。
「みこと、ほら…」
「…無理や、姉ぇ様に合わせる顔があらへん…今まで邪魔はいっぱいしたけど…姉ぇ様の手料理蹴るなんて事…」
みことはそう言って膝を抱え、顔を伏せた。
行人はその様子を見ると、呆れたようにため息をついた。

「じゃあみことはわざとりんの料理を蹴ったの?」
行人がそう聞くと、みことはがばっと顔を上げた。
「んな事あるかい!!お前をぶっ飛ばそうとしたら…足が当たって…」
みことはそう言いながらまた顔を伏せた。
「でしょ?じゃあ大丈夫だよ。ほら、行こう」
行人はそう言ってみことに手を差し伸べた。
みことはそれをちらりと見ると口を開いた。
「何で…そんな事すんねん…」
「え?」
「いくらうちが女でも…さっきまでお前を振り回していた人間やぞ?何でそんな奴にこんな風に…」
「う、確かに…けど、結構お世話になってるし、元気のないみことってすごい不気味だし…」
「悪かったな…」
みことはそう言いながらも少しだけ嬉しそうに微笑んで行人の手を取り、立ち上がった。
「さ、行こう」
「いや、行かん」
「へ?」
「うち、ちゃんと謝る。けど…今はお前が行け」
みことの言葉に行人は困ったように頭をかく。
「いや、でも…」
「ごちゃごちゃ言わんで早う行け。今まで邪魔した付けや」
そう言ってみことは行人の体の向きを反転させ、背中を押した。
「姉ぇ様、頼む」
「ちょ、みこと?」
行人が振り向くと、みことの姿はそこにはなかった。
「…頼むって…はぁ」
行人は困ったようにため息を一つ吐いた。
「…りんを探すか」
行人はそう言うのと同時に走り始めた。

一方、りんは川辺で体育座りをしていた。
「はぁ…」
「見つけたよ、りん」
「へ?」
りんが声をした方に顔を向けると、そこには行人が立っていた。
「ダンナ…」
「思ったより早く見つかって良かったよ」
行人はそのままりんに隣まで来ると、その場に座った。
するとりんは視線を川の方に移した。
「ごめんな、ダンナ…またみことが迷惑かけて…」
「え?ああ、大丈夫だよ」
(前に気絶させられるまで殴られた事あるし…それに比べれば…)
行人がその時の事を思いだしていると、りんは体を縮ませた。
「ダンナってすごいよな…」
「え、僕が?」
「うん…最初の頃はさ、正直あんま頼りなかったんだ…」
(うっ…)
「けどさ、ダンナ、いつもいろいろ一生懸命でさ、
 どんどん頼もしくなって…狩り物競争でも大ハズレを引いたってのに優勝しちまうし…」
りんはそこまで言うと、顔を自分の膝に埋めた。
「それに比べてあたいはさ、いつまで経っても大工の腕は上がらねーし、
 肝心な所でドジ踏むしさ…いっつも上手くいかなくて…今日だって…」
そこまで言うとりんの口から嗚咽が漏れ始めた。
すると行人は川の方に視線を移した。
「僕はりんの方がずっとすごいと思うけどね」
「へ?」
「りんはさ、何度失敗したって諦めずに頑張ってるじゃない。
 どんなにドジしたってやけになって放り出したりしないじゃない」
りんは顔を上げてまた行人の方に顔を向ける。
「料理だって上手だし、綺麗な着物も似合うし、みことがあそこまでりんを慕うの、分かる気がするよ」
行人はそこまで言うと、父親や美咲の事を思い浮かべた。

「それにさ、僕はそんなにすごくないよ。
 嫌な事があって逃げ出して…それで大事な約束破っちゃったんだ。だから…」
行人はりんの方に顔を向けた。
「僕はりんが思ってるほどすごくないよ」
行人はそう言うとまた川の方に視線を移した。
「それとみことのした事だけど…わざとやったわけじゃないから許してくれるかな?」
「…うん、わざとじゃないのは分かってたから…」
「そっか、良かった」
「……やっぱりダンナはすごいな」
「いや、そんなこ、むっ?」
行人がりんの方を向くと、りんは彼の唇に自分の唇を押し付けた。
そして行人は体勢を崩し、りんに押し倒される形で倒れた。
するとりんはゆっくりと行人から唇を離した。
行人は驚いたようにりんの顔を見つめる。
「り、りん?」
「ごめん、ダンナ。けど…あたい、ダンナが欲しい」
そう言うとりんは再び行人と唇を重ねる。
するとりんは行人の口内に舌を入れてきた。
「む…んっ…」
りんは舌をぎこちなく動かし、行人の舌と絡ませてくる。
するとりんの胸がちょうど行人の胸板に押し付けられる形になった。
(うっ、ぐ…りんの胸が…)
やがてりんは唇を離すと、息遣いを荒くして行人を見つめてきた。
その瞳は潤んでおり、頬も少し紅潮している。
(…もう、ダメだ)
行人は右手をりんの首に回すと、りんの顔を引き寄せて彼女の唇を自分の唇に押し付けた。
そして今度は行人からりんの口内に舌を入れ、彼女の舌と自分の舌を絡ませる。
「んっ!?む…んぅ…」
りんは驚き、目を見開いたが、やがて幸せそうに目を閉じた。

そして行人は左手の親指をりんの服の襟に引っ掛け、それを横にずらしていく。
やがてりんの胸は服から開放され、露わになった胸を行人は左手で揉み始めた。
「ふっ、むっ…んっ」
りんは目を開くと切なそうに行人を見る。
しばらくすると行人は胸を揉むのをやめ、指で乳首を摘むとそれを捏ねくり始めた。
(もう結構硬い…りんって感じやすいのかな?)
「んんっ!むっ、ふっ…んっ!」
行人はりんの股の間に右足を膝を立てて割り込ませた。
そして乳首を弄くるのをやめ、りんの秘所に左手を伸ばす。
やがて下着越しに指でスリットをなぞると、りんの体が小刻みに震える。
「んんっ!?」
りんは足を閉じようとするが、両足の間に行人の足があり、閉じれない。
行人は首に回していた右手をりんの腰の方に移動させる。
そして服の裾をめくると、右手で下着越しにりんのお尻を揉み始めた。
また、同時に左手でりんの筋をゆっくりなぞっていく。
「んんっ…んぅっ!」
りんはすでに舌を絡ませる余裕はなく、刺激を与えられるたびに腰をくねらせていた。
愛液は溢れ、垂れてきたものは行人の服を濡らす。
すると行人はりんの下着を脱がし、左手でクリトリスをさっき乳首にしたように弄り始めた。
また、右手の人差し指をりんの中に挿れ、かき混ぜるようにして愛撫し始めた。
「ふっ!んっ…ふぁぁっ!」
りんはたまらず唇を離し、行人の服をぎゅっと掴む。
「んっ…だ、だんなぁ…」
りんは震えながら行人の服を掴む力を強くする。
(そろそろいいかな…)
行人はりんに刺激を与えるをやめ、自分のズボンから自身を取り出した。
「りん、そろそろ挿れるよ」
「へ?いれるって…あ…」

りんは何を挿れるか理解すると、コクンと黙って頷いた。
行人はそれを確認するとりんの中にそれを挿れ始めた。
「ひぅっ!」
(は、入ってきた!)
りんは緊張し、体に力を入れる。
「りん、力を抜いて…」
「あ、うん…」
りんが出来るだけ力を抜くと、行人は自身をりんの中に進めていく。
「っ…」
やがてりんの処女膜を破り、行人のものはりんの奥まで入った。
「りん、大丈夫?」
行人がりんの方を見ると、りんは幸せそうに笑った。
「少し、痛いけど大丈夫…それに…やっとダンナと…」
りんはそう言うと目を閉じて行人と唇を重ねる。
行人も黙ってそれを受け入れる。
しばらくしてりんは唇を離して目を開いた。
「動くよ、りん」
そう言って行人は腰を動かし始めた。
「んっ!くっ!」
(この体勢だと少し動きにくいな…)
「りん、ちょっと体を起こして」
「んっ、う、うん…」
行人に言われるとりんは体を起こし、ちょうど行人の上に跨る形になる。
「じゃあ、もう一度動くよ」
行人はそう言うとりんを突き上げるようにして腰を動かす。
「あっ!んぅっ!」
行人がりんの奥を突くたびに、りんの形の良い胸が揺れ、りんの嬌声も大きくなっていく。

やがて、限界が近くなってきたのか、行人はさらにりんを突き上げる。
「はっ、うっ…あああああああっ!」
りんは我慢出来ずに絶頂を迎え、全身を痙攣させる。
しかしまだ達していない行人はさらに腰の動きを早める。
「ふぁっ!だん、なぁっ!」
絶頂を迎えたばかりのりんは思わずバランスを崩し、行人の腹に両手を置いて体を支えようとする。
「くっ、りん、そろそろ…」
「あっ、くっ…またっ!」
「くぅぅっ!」
行人は思いきりりんを突き上げると同時にりんの膣内に射精する。
それと同時にりんも果ててしまい、行人の体の上に倒れた。
「はっ、あっ…」
「だ、大丈夫?りん」
行人はりんの顔を見ると、りんは熱っぽい目で行人を見つめてくる。
「ダン…ナ…」
「何?」
「接吻…してくれ」
りんに言われると行人は少し困ったような表情を浮かべたが、りんの唇と自分の唇を触れさせた。
「へへ…ダンナの…あったかいな…」
りんが幸せそうに微笑むと、行人は気まずそうに口を開いた。
「りん、あのね…」
「ん?」

日が暮れる頃、みことはりんの家の前に立っていた。
「もうこんな時間か…大丈夫やろか、姉ぇ様…」
そう言ってみことが顔を上げると、行人とりんの姿がみことの目に映った。
「あ、姉ぇ様!」
みことはすぐにりんの方に向かって走り出した。
「あ、みこと…」

みことはりんの前まで来ると、勢い良く土下座した。
「昼間はすんませんでした!りん姉ぇ様が作った物を粗末にしてしまって…すんません!」
行人がりんの方を見ると、りんは黙って頷き、みことの頭を拳骨で殴った。
「〜〜っ!」
「次は気をつけろよ。
 って言うか、かれー以外にも謝って欲しい事いっぱいあるけど…今回はこれでチャラにしてやる」
「ね、姉ぇ様…」
みことは目に涙を浮かべ、嬉しそうにりんを見つめていたが、りんはみことに向かって指差した。
「言っとくけど…あんな邪魔したってあたいは引かねぇぞ。お前にはダンナは渡さねぇ」
「…………はい?」
「お前もダンナ、狙ってたんだろ?」
みことは状況が飲み込めず、行人の方を見る。
すると行人は気まずそうに目を逸らし、みことは素早く行人に詰め寄った。
「どういう事や?」
「いや、今までその…みこと達とやった事話したらさ…」
「はぁぁぁぁっ!?ってか、話したっちゅう事は…姉ぇ様と…」
「…すいません」
「ぐ…まぁ、姉ぇ様を頼むって言うたのはうちやから別にそれはどうこう言わん。けどな、誤解は解いて…」
みことが話を続けようとすると、りんは行人からみことを引き離した。
「ね、姉ぇ様?」
「今まであたいに迫ってきたのは、あたいをダンナ争奪戦からリタイアさせてから参戦しようって魂胆だったわけだ」
「いや、うちは…」
「とにかく、負けねぇからな」
りんはみことにそう言うと、行人の方を向いた。
「ダンナ、その…あんがと。あたいもっといい女になっから…期待しててくれよな!」
りんはそう言って家の方に走っていった。
「りん、元気になってくれたみたいで良かったね」
「何寝ぼけた事言っとんねん!
 ああ〜、うちが長年積み重ねてきた物は…こうなったらやけや!姉ぇ様もお前もうちのもんやぁぁぁぁ!」
「いいっ!?」
その後、行人はみことから一晩中逃げ回ったと言う。